11月上旬まで武蔵野美術大学美術館にて展覧会が開催されていた、現代ポーランドを代表するアーティスト、スタシス・エイドリゲヴィチウスの本を二冊、先日更新しました。(ドイツ語版)
アーティスト/芸術家であり絵本作家でもあるエイドリゲヴィチウスのちょっと変わった(すごく?)この二冊の本は一応は絵本という位置付けは出来るかもしれません。
1冊は日本でも作品が幾つも翻訳されている児童文学者クルト・バウマンがお話を書いていますし。
ですがその絵は、ちょっと…ではなく、とても変わっています。
お話や場面を普通に紙に描いているのではなくて、その場面を描いた仮面を作って、その仮面を人が被り、そしてそれを写真に撮ったものが、挿絵としてテキストに添えられています。
開催されていた展覧会でも
「フェイス/マスク」はこれまでスタシスが描いてきた一貫したテーマです。空想の世界や見たことのない情景を描きだすなかで、顔は心情を表現する重要なモチーフであり、人間の内面を表すメタファーとして現れます。
との解説がありました。
フィクション世界と現実世界の関わり合い方、と言うのは「作品」というものを作る上で非常に大切な、根源的なものだと思うのですが、エイドリゲヴィチウスのそのフィクション/現実の取り扱い方は、今までに見たことがなかったものであると感じます。
現在までにも様々な画家/アーティストが絵本の制作を行ってきましたけれど、そして自分もそう言ったものを色々と見てきましたが、これほどまでにアート作品たる「絵本」というものは見たことがなかった気がします。
こんな風に説明するととっつきにくそうな作家の作品と思われてしまうかもしれませんが、自分は、子どもたちのほうが、エイドリゲヴィチウスの作品は面白く見れるんじゃないか、と結構思ったりしています。
このことについてはもっと深く考えてみたいと今後思っているのですが、意外にも、シュルレアリスムの要素の強い絵本って、子どもにすごく人気があるんですよね。(例えばビネッテ・シュレーダーなど)
このことは先日、国際子ども図書館で講演をされた、うらわ美術館の学芸員山田志麻子さんも講演で仰っていました。
スタシス・エイドリゲヴィチウスの絵本、オンラインストアの方でもぜひご覧ください。
当店のスタシス・エイドリゲヴィチウスの本はこちらです。
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