「花いっぱいになあれ」松谷みよ子 作 司修 絵 Matsutani Miyoko Tukasa Osamu松谷みよ子さんと司修さんの共作というとやはり「ふたりのイーダ」「私のアンネ=フランク」などの直樹とゆう子の物語がまず思い浮かびますが、他にも多くの素晴らしい作品を二人で残しており、この「花いっぱいになあれ」もその絵本のうちの一つです。学校の子供たちが風船に種をつけ、それを飛ばすのですが、そのうちの一つがたまたま山の子ぎつねのところへやって来ました。その赤い風船を、花だと思って子ぎつねのコンは水をやって、、、。大きな展開や、教訓めいた話があるわけではなく、ゆったりした語り口で語られる優しく温かい松谷さんのお話と、明るい色を中心に使った(司修さんの絵では珍しいですかね)司修さんの絵が読んでいると静かに胸に染みていきます。心が休まるような...26Nov2015news日々の絵本
「スリスリとパッパ」二宮由紀子 文 100%ORANGE100%ORANGEさんは一見誰が見ても可愛らしい絵ながらもデザイン性の高さを保った、絵の深み、奥行きを感じさせる素晴らしい仕事をなさっていますが、この「スリスリとパッパ(2015年作)」もそうした可愛い絵、お話というだけにとどまらない魅力を放っています。スリッパの右足と左足であるスリスリとパッパが、仲良く、喧嘩もし、一緒に眠り、夢を見て、というお話です。こうした、人の身近な「もの」が話しだす、という出来事は、楽しいものでもありますが、その反面何処か不気味な感触もすることを、子供の頃からいつも感じていたように思います。夜中、自分の眠っている間に部屋のおもちゃたちが話しだして、、、こうした想像力には好奇心と恐怖心が混ざったような、不思...25Nov2015news日々の絵本
「木がずらり」tupera tupera ツペラ ツペラ今ではとても人気のあるtupera tupera(ツペラ ツペラ)さん。絵本やイラストの仕事にとどまらずアートディレクション、アニメーションなど多岐にわたる仕事をされておりますが、その絵本デビュー作がこの蛇腹絵本「木がずらり」です。こちらの本は一番はじめに自費出版で私家版として出され、その後ピエ・ブックスにて発売、そして現在流通している版はブロンズ新社版と、今までに3回出版されております。当店に今回入荷したのは、その一番初めに出された版です。tupera tuperaさんが100万円という元手に印刷屋さん、製本屋さんに何度も足を運び、学びながら作ったという1000部限定(シリアルナンバー/お二人の署名入り)です。この絵本は蛇腹作りに...24Nov2015news日々の絵本
11月24日新入荷商品本日の新入荷商品ではtupera tuperaさんのジャバラ絵本3冊が入荷しました。そのうちの1冊はなんとtupera tuperaさんデビュー作「木がずらり」の1000部限定私家版です。他にも「木ずらり」(ブロンズ新社版)「魚がすいすい」(ブロンズ新社版)が入荷しました。他の絵本ではシシリー・メアリー・バーカー「白鳥とくらした子」バージニア・リー・バートン「ビュンビュンきしゃをぬく」ましませつこ「わらべうた」大畑いくの「きいてごらん」他にもエドワード・ゴーリー2冊、センダック、ローベル、ハンス・フィッシャーなど入荷しております。美術書では「村山知義 肖像画展 図録」読み物ではジャン・ジュネ「判決」小川国夫全集(小沢書店)などなど入...24Nov2015入荷情報
「クリスマスものがたり」パメラ・ドルトン Pamela Doltonもうすぐ12月ということで当店オンラインストアでも「クリスマス」のカテゴリーを作りました。まだ数は少ないのですが、随時追加していきますのでこちらも見て頂けたらと思います。さて、本日ご紹介する本はアメリカの切り絵作家パメラ・ドルトンの「クリスマスものがたり」です。彼女の切り絵の技法はデンマークでその基礎を学び、そこからドイツやスイスの移民から伝わった手法をも融合させ、独自のスタイルを確立したものだそうです。見ればこれが切り絵なのかと誰もが驚いてしまうほどの繊細で温かみを持った絵ですね。お話は受胎告知からナザレへの帰還までのイエスの誕生前後のお話が優しく語られています。パメラ・ドルトンのもう一冊の著作がアッシジの聖フランチェスコのお話で...23Nov2015news日々の絵本
11月23日新入荷商品本日の新入荷商品ではクリスマス絵本幾つか入ってきました。「FATHER CHRISTMAS」「お祭りにいけなかったもみの木」「サンタクロースのおくりもの」「くるみわりにんぎょう」などです。online storeの方のカテゴリーに「クリスマス」のカテゴリーを追加しましたので、こちらも見て頂けたらと思います。絵本ではほかには「むく鳥のゆめ」網中いづる「うさぎのゆりかご」鳥毛清「ピーターと狼」佐野洋子「スリスリとパッパ」100%orange「ひつじとはなしたこども」佐藤忠良などなど珍しい物も入っています。芸術書では「KLEIN+PARIS」WILLIAM KLEIN「リー・フリードランダー写真集」「アンリ・カルティエ=ブレッソン写真集成...23Nov2015入荷情報
当店事務所移転に伴う、商品出荷スケジュールのお知らせ当店事務所移転作業のため11月26日(木)から11月30日(月)までは出荷作業を停止させていただきます。注文は通常通り受け付けておりますが、この期間の注文に関しましては全て12月1日に出荷をさせていただきます。ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。23Nov2015news
「ノー・シューズ」佐々木マキ 「No Shoes」 Sasaki Makiこちらの「ノー・シューズ」は絵本作家、イラストレーター、漫画家として活躍する佐々木マキさんの自伝的エッセイです。そのキャリアの出発点であった漫画家としてデビューする頃の話が中心に語られています。絵本作家として第一作目の「やっぱりおおかみ」を作る際のエピソードはとても興味深いです。当時福音館書店の社長であった松居直さんから「これを見て勉強してください」とセンダックの「in the night kitchen(まよなかのだいどころ)」を手渡されたという話には、唸ってしまいますね。日本の絵本の歴史的に、とても重要な瞬間に思えてしまいます。佐々木さんはその後、この「in the night kitchen」を参考にして「やっぱりおおかみ」を...20Nov2015news日々の絵本
アルドの遺伝子展 at Waseda University Library Aldus Manutius 1450-1515先週末は、早稲田大学の中央図書館の一室で行われているアルドの遺伝子展も見てきました。印刷術の歴史においてルネサンス期ヴェネツィアで大きな功績を残したル印刷出版業者アルド・マヌーツィオの没後500年を記念して行われた展示で、当時の書物を見ながらアルドとその後継者たちの仕事を紹介する内容だったのですが、その一画で現代のルリユール技術の紹介があり、23人の装丁家によるルリユール作品の展示がありました。撮影不可のため、お見せできないのが残念ですが、それぞれの作家さんが本のイメージを思い思いに表現した装丁は大変見ごたえがありました。長くなりましたが、ルリユールと言えば、いせひでこさんの『ルリユールおじさん』ですね。ご存知の方も多いと思いますが...19Nov2015news日々の絵本
11月19日新入荷商品本日新入荷商品ではバーナデット「くつやのマルチン」いせひでこ「あの路」(サイン入り)アロウッド「カエルのバレエ入門」ささめやゆき「だんまり」スズキコージ「ももたろう」「ケツアルコアトルの道」など、他にも幾つか入っています。美術書では「岡崎乾二郎1979-2014」「JAMES TURRELL ECLIPSE」CD付き読み物では「E.E.カミングズ詩集 カミングズの詩を遊ぶ」ヤリタミサコカミングズは江國香織さん訳でハイディ・ゴーネルの「そとは ただ 春」も在庫あります。この絵本は以前にもinstagramで紹介しましたがとってもおすすめです。「寺山修司俳句全集」などなどです。よろしくお願いいたします。19Nov2015入荷情報
「雉女房」村山亜土 作 柚木沙弥郎 絵 Murayama Ado Yunoki Samirouこちらの「雉女房」は村山知義を父に持つ児童劇作家の村山亜土さんと、芹沢銈介さんに師事し、型染めや装丁、イラストレーションなど多岐にわたる活動で知られる柚木沙弥郎さんお二人による絵本です。お話は日本の民話を思わせる動物の恩返しをベースにした、少しだけ切なく悲しいお話です。柚木沙弥郎さんの土着的な感覚を感じさせながらも、何処か都会的な雰囲気を醸し出す絵が、このお話の悲哀を鮮やかに浮かび上がらせています。写真のページを見ていただくと感じられると思うのですが、形と色の調和がとても美しいのです。ページをめくるたびに、ここの色を、こんな風に描けるんだ、と何度も何度も感心してしまいます。柚木さんのこの色の妙技を是非感じて欲しいです。18Nov2015news日々の絵本
「小人の星ニュウ」ウンベルト・エーコ 文 エウジェニオ・カルミ 画 Umberto Eco Eugenio Carmi「フーコーの振り子」「薔薇の名前」で知られるイタリアの作家ウンベルト・エーコが絵本を出していると知って、驚く方もいるのではないでしょうか。こちらの「小人の星ニュウ」はエーコが画家のエウジェニオ・カルミとともに作った絵本の三作目です。お話はというと、地球のある王さまが新しい土地を欲しがって、宇宙へと探検隊を派遣します。探検隊はその後、宇宙の僻地で「ニュウ」という小人たちが平和に暮らす美しい星を見つるのです。そして小人たちに地球の素晴らしさを説明しようとするのですが、その地球は人間の手で既に汚されてしまっていて、、、地球を外から見る、という批判的な視点を上手く使った絵本です。小人たちが最後に言う「私たちが地球へ行って、あなたがたを発見す...17Nov2015news日々の絵本