「THE BIRTHDAY PARTY」Ruth Krauss Maurice Sendak先日オンラインストアにも更新したルース・クラウスとモーリス・センダックによる『THE BIRTHDAY PARTY』今回入荷したのは1960年代の刷りですが、初版は1957年に刊行されました。クラウスとセンダックの絵本は自分も大好きで、日本語にも翻訳されているものも多いですが、この絵本はまだされていないようですね。まだ幼い男の子(4歳くらいでしょうか)、デイヴィッドの誕生日パーティのお話、というシンプルなお話なのですが、自分には、何というかルース・クラウスらしい子どもの心の動きや物事の捉え方が短く、鮮やかに描かれている(「子どもの論理」をそのまま作品に持ち込んでいる)ように感じました。短いお話なのですが、流れを簡単に説明するとこの絵...23Jul2026news日々の絵本Blog
『THE FIRST BOOK OF JAZZ』Langston Hughes David Martin Cliff Roberts先日入荷した『THE FIRST BOOK OF JAZZ』(1955年頃/2刷)はアメリカの詩人/作家ラングストン・ヒューズとイラストレーター/アニメーション作家のCliff Robertsによる、ジャズを子どもたちに紹介するために作られた、イラスト豊富な入門書です。Franklin Watts社の『First Book』シリーズの1冊として刊行されたもので、Cliff Robertsのイラストが素晴らしいです。メアリー・ブレアやAbner Graboffなどとも通じるような非常に音楽的で楽しい絵ですね。Cliff Robertsは初期のセサミ・ストリートやピンク・パンサーのアニメーターなどの仕事で知られるのですが(子ども向けの本...02Jul2026news日々の絵本
『GOOD SHABBOS, EVERYBODY』 Mauris Sendak Leonard Weisgardこれまた珍しい絵本が入荷しております。先日オンラインストアにも更新した『GOOD SHABBOS, EVERYBODY』はillustrations by Mauris Sendak(モーリス・センダック)、Art Consultant, Leonard Weisgard(レナード・ワイスガード)と記された珍しい1冊です。この二人をご存知の方はこの組み合わせには驚きますよね。20世紀のアメリカ絵本を代表するような二人の絵本画家が、一つ作品の中で名を連ねている…。こちらの絵本の発行は1951年。センダックはまだ何と23歳ですね。センダックの初めての児童書の仕事はマルセル・エイメの挿絵の仕事のはずですが(これも1951年です)、それは絵...18Jun2026news日々の絵本
『ジャックトマメノキ』赤松俊子赤松俊子(のちの丸木俊。1960年代中頃までは赤松俊子の名前で活動しています)の珍しい絵本、『ジャックトマメノキ』(1946年刊)が入荷しております。赤松俊子は、夫の丸木位里とともに原爆の悲惨さを描いた仕事があまりに有名ですが、こうした古典童話も幾つか手掛けており、そのどれもが素晴らしいです。赤松俊子がこうした仕事の中で見せてくれる、東欧やロシアのフォークアートのような、不思議で、特異な無国籍感は、この作家特有のものですね。(赤がいつも強く意識されているように感じられるのですが、それは赤松俊子が共産党員だったこととも無関係ではないでしょう)本書は1946年の6月刊行と、終戦から1年も経っていない時節での刊行ということもあり、紙質も良...06May2026news日々の絵本
「The Song of the Day Birds and the Night Birds」Dahlov Ipcar当店でも開店当初からオススメしているアメリカの絵本作家ダーロフ・イプカー(1917-2017)の『The song of the day birds and the night birds』(1967年初版)が入荷しております。当店もこの4月で11年目ですがこの本が入荷したのはまだ2回だけですね。イプカーの絵本の中でもなかなか見かけない本の一つだと思います。明け方から始まり、太陽が昇っていき日が落ち、今度は月が昇り、沈んでいく、その時間の流れの中で、1ページに毎に様々な鳥たちが短い韻文とともに描かれた、イプカー好き、鳥好きには堪らない1冊ですね。印刷もイプカー特有の極彩色が、1日の異なる時間の光の中で美しく表現されています。珍しい1...02Apr2026news日々の絵本
『The Princess and The Apple Tree』A.A. Milne Helen Sewellくまのプーさんでお馴染みのA.A.ミルンのお話にアメリカの挿絵画家/絵本作家Helen Sewellが挿絵を描いた絵本『The Princess and The Apple Tree』が入荷しました。Helen Sewellは個人的にも好きな作家なので度々入荷していますが、ちゃんと紹介したことはなかった気がしております。1896年カリフォルニア州生まれ、20年代から挿絵画家として精力的に活動し、1957年に病気で亡くなっています。代表的な仕事としてはローラ・インガルス・ワイルダーの『大きな森の小さな家』シリーズの初代の挿絵画家だったことでしょうか。(このシリーズはガース・ウィリアムズ挿絵版が一番馴染みがあるかもしれませんね)ナタリー...29Jan2026news日々の絵本
『DROLES DE JOUETS!:Andre Helle ou l'art de l'enfance』当店でも大人気のフランスの絵本作家アンドレ・エレの、2012年にフランス/Poissyの美術館で開催された、エレの玩具作品に焦点を当てた展覧会図録が入荷いたしました。エレのファンには彼が玩具も制作していたことは知られていると思うのですが、その細かい経緯や、どういう物が作られていたかなどは、日本語の資料はほとんど無いので、あまり知られてはいなかったかと思います。アンドレ・エレの絵本のファンの方のみならず、玩具好きの皆様にも非常に興味深い面白い図録ですので、ぜひ御覧くださいませ。『DROLES DE JOUETS!:Andre Helle ou l'art de l'enfance』01Aug2025news日々の絵本
「PEACOCK PIE」Walter de la Mare Barbara Cooneyイギリスの詩人ウォルター・デ・ラ・メアの子どものための詩に、バーバラ・クーニーが挿絵を描いた『PEACOCK PIE』(1961年)。自分は『PEACOCK PIE』はエドワード・アーディゾーニが挿絵を描いたもの(翻訳『孔雀のパイ』)は読んだことがあったのですが、バーバラ・クーニーのものは初めて見ました。アーディゾーニも素晴らしかったですが、このクーニーの挿絵も本当に素晴らしいですね。自分は50’s〜60’sのクーニーは大好きで、この時代のクーニーはスクラッチボードで表現するモノクロの世界が主体なのですけれど、この本ではスクラッチボードではなく鉛筆で描いているように思われます。モノクロのクーニーでスクラッチボードではないのは珍しい気...27Jul2025news日々の絵本Blog
『AMERICAN FOLK SONGS FOR CHILDREN』Barbara Cooney先日スタッフが、バーバラ・クーニーの『When the sky is like lace』(日本語版タイトル『空がレースにみえるとき』)を見ながら、クーニーではこれが一番好きですね、と言っていたのですが、自分は70年代以降の後期のクーニーより、50年代頃のモノクロの絵が中心のクーニーが好きなんですよね。(『When the sky is like lace』ももちろん好きですけれど)この『AMERICAN FOLK SONGS FOR CHILDREN』(初版は1948年)は、そんなクーニーのモノクロの挿絵がいっぱいの1冊です。全190ページの中に小さなカットから大きな絵まで、クーニーの絵がたっぷりと。クーニーのモノクロの絵は、色が...14Feb2025news日々の絵本
『月夜とめがね』(1954年)小川未明 茂田井武茂田井武さんの本を紹介するのは初めてだったかな、と過去の記事を調べてみると8年前に『ton paris』を紹介しておりました。茂田井さんは絵本の仕事では『セロひきのゴーシュ』がよく知られていると思いますが、2000年代以降に子どものための絵を(絵本、イラスト)をしっかり見始めた自分にとってはやはり『ton paris』が非常に印象的でした。(こういう方は多いのではないでしょうか?)美しく、素朴で、ひとりでに優しく輝いているような絵。この『月夜とめがね』(1954年)も、自分にはそんな茂田井武の暖かさが感じられる素晴らしい本です。タイトルを見てすぐおわかりになると思うのですが、こちらは小川未明の童話集に茂田井武が挿絵を付けた絵本ですね...07Feb2025news日々の絵本
『Laughing Time』William Jay Smith Juliet Kepesアメリカの詩人ウィリアム・ジェイ・スミスの子どものための詩に、絵本作家ジュリエット・キープス(ジュリエット・ケペッシュ)が絵を付けた、詩の絵本『Laughing Time』です。ジュリエット・キープスは日本でも『ゆかいなかえる』が広く読まれていると思いますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?『ゆかいなかえる』ではあまり感じられないかもしれませんが、キープスはわりとアート的なアプローチで作品をつくることもある絵本作家さんですね。墨で描いていると思われる絵もしばしばあったり(本書もそうです)、夫がニュー・バウハウスで教鞭を執っていた、ジョージ・ケペシュであることも影響しているかと思います。この愉快な、子どものための詩の絵本も素晴...06Feb2025news日々の絵本
「カリジェの町の大時計」ぬまのうまき『カリジェの町の大時計』当店ではおなじみの絵本作家さん、ぬまのうまきさんの新刊が発売になりました。『カリジェ』と言う町にある大時計のお話。二人の女の子が出会うための、小さな冒険と不思議な魔法。この絵本のどこがすごいって、まず、本当に、ぬまのうさんの絵の進化/深化がとてつもないですね…。これまでの作品にも見られる可愛らしいカットもありつつ、見開きページの絵の表現で見せていく。この見開きがどれも素晴らしいのです。(この絵本を読んだ方の中でも、どの見開き場面が好きかは結構分かれるのではないでしょうか。そして、その違う意見に対しても、あの場面の絵もすごいよね…!とお互い心から思えるほどどれも心に深く響くのです)自分は特に印象的だったのは、時...25Jan2025news日々の絵本Blog