「Joggeli Soll ga Birli schuttle!」Lisa Wenger本日更新した「Joggeli Soll ga Birli schuttle!」の作者、Lisa Wenger(1868〜1941)はエルンスト・クライドルフと同郷のスイス/ベルン出身の画家、児童作家です。この絵本は、スイスのわらべうた「ヨッケリなしをとっといで」を絵本にしたものですね。このわらべうたは日本ではフェリクス・ホフマンの絵本が翻訳出版されておりますので、この絵本で知っている方も多いのではないでしょうか。ホフマンの作品は40年代に作られたものですが、Lisa Wengerのこちらの絵本は初版は1908年の出版ですので、ホフマンよりも大分古い作品ですね。Lisa Wengerは30年代にはスイスで一番読まれた絵本作家でもあった...13Aug2023news日々の絵本
『Hochzeit im Walde』1921年版 リトグラフ/額装本日はドイツの絵本作家エルゼ・ヴェンツ・ヴィエトールの額装商品をオンラインストアに更新しました。『Hochzeit im Walde』の1921年(恐らく初版)のもので、印刷はリトグラフで刷られています。お話はドイツの児童文学作家、詩人のAdolf Holstによるものですね。複雑な筋は特に無いのですが、タイトルの通り『Hochzeit im Walde』(森の結婚式)ある虫の結婚式の一日が、短い韻文で綴られています。大まかにですけれどあらすじを…。きのこの王様が、これから開催される結婚式を祝福します今日はこの二匹の結婚式近くから、遠くから招待客がやってきます妖精は、蝶(蛾?)にのって船に乗ってくるものもいます勿論音楽と行進もありま...06Aug2023news日々の絵本
「A Cat Can't Count」Blossom Budney William Wondriskaグラフィックデザイナーが出した絵本って結構ありますけれど、実は、結構自分はこのジャンルに対して懐疑的な気持ちがあり、厳しい目で見てしまうのですが、アメリカのグラフィックデザイナーWilliam Wondriska(ウィリアム・ワンドリスカ)の絵本はいつも楽しくて、好きです。すごい、好きですね。この『A cat can’t count』(Blossom Budney×William Wondriska)もとても良いですね。なかなか見ない珍しい絵本なので、お値段は結構してしまうのですが、イラストも内容も素晴らしい。単純な数字の絵本とは違って、数の概念とは、数えることとは、測定することとは?ということを優しく問いかけ、考えさせてくれる絵本...20Jul2023news日々の絵本
「CINDERELLA」(1939年)Leonard Weisgard日本語にも多くの作品が翻訳され、愛されているレナード・ワイスガード。その最初期の作品『CINDERELLA』を先日、オンラインストアに出しております。絵本作家としてのデビューは37年の『Suki, the Siamese Pussy』だと思うので、この1939年出版のシンデレラは恐らく2作目か3作目ですね。(この本の中のコピーライト表記は38年なのですが、ワイスガードの公式HPのビブリオグラフィーページには39年と記されているため39年としました)現代の作家と組んで絵本を作っている印象が強いので、こうした古典童話の絵本を作っているのはちょっと意外な感もありますね。絵柄も、やはりワイスガードだなと言う部分もあれば、自分の良く知っている...29Jun2023news日々の絵本Blog
『ASK ME QUESTION』Tomi Ungerer皆さん御存知のトミー・ウンゲラー。日本でもとても人気の作家なのですが(もちろん自分も大好きです!)未翻訳の本も多いんですよね。未翻訳の本が多いと言っても、その多くはウンゲラーのもう一つの側面、グロテスク/エロティックな作品が中心なのだと、自分は思っていて、ウンゲラーの子ども向けの作品は、もうほとんどが翻訳されているのかな、と思っていたのですが…、いやいや、まだありました。この『ASK ME QUESTION』(1968年/HARPER & ROW)です。各ページには『?』が隠れたイラストと、子どもが発するような、ちょっと変な問いかけ。その質問は、ナンセンスのような、イノセントのような…。でも、そうした空気を模した、ウンゲラー...02Jun2023news日々の絵本
「リッランとねこ」イーヴァル・アロセニウス若くして亡くなった芸術家が、まだ幼い愛娘のために描いた1冊の絵本。スウェーデンで1909年に刊行されて以来、愛され続けたこの古典名作絵本『リッランとねこ』。日本語の翻訳版は、以前福音館書店から出ていたのですが、ここ10年ほどは重版もされず、品切れになってしまっておりました。しかし昨年末に徳間書店から復刊され、また新品の絵本が手に入るようになりました。この絵本の流通が安定している(欲しい時に注文をすれば手に入る)のは、大変喜ばしいことです…。何を隠そう、自分もこの絵本を心から愛する一人なのですから…。お話は、一人の小さな女の子、リッランが猫にのってどこまでも、どこまでも、お出掛けをする話…。道中リッランは、豚に会い、ワニに会い、怖いお...25Mar2023news日々の絵本
「ANIMAL LAND」Sybil and Katharine Corbet1897年にスコットランドで出版された、奇書とも言っても良いような、なんとも不思議な魅力を放つ絵本『ANIMAL LAND』が昨年、アメリカの本屋兼出版社である、50WATTSから復刻出版されました。この絵本の作者は4歳の女の子Sybilとその母親のKatharine Corbetです。すべての始まりは彼女が3歳の頃、人が誰も住んでいない『ANIMAL LAND』のお話を聞かせて欲しいと、母親にせがみ始めたことでした。それからは、シビルが自身でその『ANIMAL LAND』にいる不思議な動物たちのことを、詳しく語り始めたのです。娘が語り、母が描いた、想像上の架空の国の動物たち。誰も見たことのない、誰も見ることのない、2人の交わす会話...27Jan2023news日々の絵本Blog
『クリスマス降誕劇の本』アトリエ風戸いよいよクリスマスがそこまで近づき、クリスマス絵本を読んでいる方もいらっしゃるでしょうか。お店がある地域は浅草からほど近く、お寺が沢山ありますが、それでもクリスマスらしさは至る所に見受けられます。この辺りでは幼稚園もお寺がやっているところばかりなのですが、私自身(店主妻)はキリスト教の園に通っておりました。お祈りも覚えずにしれっと最後のアーメンだけ言っていた不真面目な園児でしたが、卒園の際にやった聖劇(カトリックの園でした)だけは、それまでの園生活の色々がこのお話でなんとなく腑に落ちたのを覚えています。本日紹介する本(カード?)は、降誕劇を4つの冊子に分けて描かれたもので、折り畳まれた紙の一方にキリスト生誕のイラストが、もう一面には...18Dec2022news日々の絵本
イーダ・ボハッタの絵本まとめて更新しましたアンブロシウスフェアリーに合わせて、当店では今回も沢山の花の妖精や小人の絵本を描いたオーストリアの作家イーダ・ボハッタの小さな絵本を沢山ご用意しております。というのにも理由がありまして、当初今回はまた違う本と合わせることを考えておりました。ですがが、人気なのにずっと送料の関係であまり仕入れることができずにいたボハッタの絵本が、先日お知らせしたように、幾つかの国の仕入れ送料に変更があり、ドイツからもまとめて入荷することでお安く仕入れることができるようになりました。それならばと、前回のように古い刷りや珍しいものは少ないのですが、これまでよりお手頃なお値段で沢山の方に手に取っていただけたらと、在庫たっぷりとご用意いたしました。本日、オンラ...14Oct2022news日々の絵本
「ゼペット」レベッカ・ブラウン 柴田元幸 カナイフユキレベッカ・ブラウンによる、コッラーディのピノキオの翻案作品「ゼペット」が入荷しました。絵はカナイフユキさん、翻訳は柴田元幸さんです。(当店初回入荷分については柴田元幸さんのサイン入りのものをご用意しております)以下出版社からの本の紹介の引用を少し。『体の贈り物』『若かった日々』『家庭の医学』などで知られるアメリカの作家、レベッカ・ブラウンの小品「ゼペット」を、柴田元幸の翻訳、カナイフユキの絵によって、絵本にしました。レベッカ・ブランが夢見なおした「ピノキオ』です。人間になんかなりたくない、命なんかほしくないと言い続けるピノキオを抱えた老人のお話。その悲しみと優しさに、カナイフユキの色彩が寄り添います。引用終わり。読み始めは、反出生主...23Sep2022news日々の絵本
「THE SKATING GANDER」Marie Honre Myersオンラインストアに更新した「THE SKATING GANDER」はMarie Honre Myers挿絵による1927年(アメリカ)の作品です。初めて入ってきた画家の本ですが、20年代のアメリカには子どものための本の絵を描く画家たちの中にアールデコの強い影響下にある画家が一定数いますね。Marie Honre Myersもその中のひとりです。フランスのこの界隈の画家たちに比べ、知られていない画家が多く値段も比較的お求めやすいのも魅力でしょうか。ですが、それぞれ個性を持っていて、時折ハッとする表現、絵を見せてくれるのです。写真で上げた絵も良いですよね。ちょっとした装飾なども可愛いので、嬉しくなります。どうぞご覧下さい。16Sep2022news日々の絵本
「Woche fur die Deutsche Jugend」少し前にオンラインストアに更新した『Woche fur die Deutsche Jugend』(1906年)は1900年代初頭のドイツの児童雑誌『Die Woche』の合本版です。全190ページの中にお話、歌、なぞなぞ、科学的な記事などが、どれも可愛いイラストとともにたっぷりと収録されております。参加作家がとても多く、掲載されているイラスト数も充実しているので、この時代のドイツの子どものためのイラストレーションを概観できるのというのも、魅力の一つですね。自分もその名前にピンとこない作家が多かったのですが、良いな、と思えるイラストはとても多かったので、この1900年代前半のドイツ絵本がお好きな方には、必ず気に入って頂けるかと思います...15Sep2022news日々の絵本