「Holp Collection petit size」

当店でも屡々紹介させて頂いているほるぷ出版の復刻シリーズですが、本日はこのシリーズの小さな判型のものばかりを集めてみました。

19世紀に刊行されたマザーグースの絵本が中心です。

この頃の絵本には、その作者がはっきりと示されていないものも多くあり(「絵本」と言う概念が(そして「著作権」という概念も)未発達で、その立ち位置が現在とは少し違うことも原因にあるかと思います)、一冊の絵本の中でも、そうとは示されずに複数の人物が挿絵を描いているものがあったり…と言うよりも、複数の出版物を継ぎ接ぎして一冊絵本にしているものなども多くありました。

(写真で開いている本も、途中で突然、組みが横になったりしている変な造りです)

一冊の本の中で統一感が無いと言いますか、妙なゴチャゴチャ感が残っているものもあるんですね。

けれど、何故かそんな本からは不思議な強さが、生命力のようなものが感じられてしまいます。

この辺りの本は大衆向けにとても安く作られ、販売された本たちで、そうした本からはそんな無名の人々の、路上の、ひしめき合うようなそんな力を感じるのです。

一つ一つの絵を見ると、同時代の、歴史に名を残した絵本作家たちの作品には遠く及ばないのですが、一冊の本の中に詰め込まれた、その読者をも含めたエネルギーは独特の力強さと、そして何だか愛しさをも感じてしまいます。

価値/魅力というものは一様でなく、方向性も様々で、こうした芸術性のあまり高くないものでも、固有の魅力を纏ったものもあるから面白いですね。

オンラインストアで色々と並べておりますので、どうぞご覧ください。

*開いている本は「NURSERY RIDDLES, RHYMES AND JINGLES」と言う本です。


当店のほるぷ出版の復刻シリーズはこちらです。

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