「雨ニモマケズ」宮澤賢治 アーサー・ビナード 山村浩二

お店のアカウントでは政治的な話題はほぼ書かないのですけれど(それは勿論「政治的な」理由によってです。そしてそもそも、書かなくても自分が、このお店が、どんな思想に拠ったものかなんてことは、分かられていると思っているからでもあります)、珍しく少しそんなことも。

まだ少し先ですけれど2024年から紙幣のデザインが変わるそうで、新紙幣の肖像画の人選では、芸術家は選ばれませんでしたね。

樋口一葉の小説、すごく好きなので、いなくなってしまうので、はー、と思ったのですけれど別に樋口一葉の小説が無くなるわけではないので、実は特に思うことも少ないのですが、じゃあ誰の肖像画が良いかな?と個人的に考えてみると、自分は宮澤賢治かな、と思いました。

結構納得してくれる人多い気がするんですけれど。どうでしょうか。

今日、宮澤賢治の「雨ニモマケズ」の絵本(山村浩二 絵/アーサー・ビナード 英語)をオンラインストアに更新しながら、そんなことを思っておりました。

宮澤賢治の作品はいつも人間存在の根本に迫るような、キリキリと胸に迫る感じと、素朴な感覚が同居している気がします。

宮澤賢治が作品として世に出したわけではないこの「雨ニモマケズ」も(そもそも宮澤賢治は生前に確か2冊しか本を出していませんが…)、そうした宮澤賢治の本質が短い言葉の中にとても良く出ていると思います。

あとがきでアーサー・ビナードさんが書いています「人生の〆切が容赦なく迫る中、賢治の最後の手帳につづられたもの」と。

賢治この文章を書きながら見た心の風景とはどんなものだったのか、山村浩二さんの描いたこの絵本の絵を見ながら、自分も色々と思いました。

この詩の中では自分は、

サムサノナツハオロオロアルキ

と言う箇所が昔から好きです。


誰にも、オロオロ歩くしか無いとき、ありますよね。

オロオロ歩いていたって何も解決しないじゃないか、とか、言われそうですけど、オロオロ歩くことしか、今日は出来なくても良いじゃないですか。

もっとみんなでオロオロ歩いたら良いと思います。


そのうちに日が暮れて、もう少し頑張れる気がするんです。


最後の方は何だかよくわからなくなってしまいましたが、こちらの「雨ニモマケズ」は山村浩二さんのサイン入りです。

どうぞご覧ください。


当店の宮澤賢治の本はこちらです。

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