Alice's Adventures in Wonderland

本日はルイス・キャロル「不思議の国のアリス」の絵本を幾つか更新しました!

最近当店でしばしば紹介させて頂いているドゥシャン・カーライのもの(とても手に入りづらくなっている日本語版です!)や、アンネ・エルボーのもの(フランス語版、日本語未翻訳)、そしてこの当店ではまだ紹介したことのないチェコの作家のMarketa Prachatickaのものなどが入っております。

どれも雰囲気が違って、素晴らしい本ばかりです!

それぞれにその魅力についてじっくり書いてみたいのですが、今日は簡単にこの3冊を紹介させて下さい。

アンネ・エルボーのものはアリスのコミカルな面が前面に感じられます。そしてその絵のセンスの良さからか、アリスのお話に時折感じる「不穏さ」のようなものは影を潜め、アリスによる冒険物語といった絵本になっている、とても楽しい絵本です。ベアトリーチェ・アレマーニャやローラ・カーリンなどセンス抜群の現代作家が好きな方には特におすすめです!

ドゥシャン・カーライのアリスは見返しのデザインから魅了されてしまいます。トランプの中に閉じ込められたかのような、生き生きとした動物たちの絵。そしてページを進めていけばそこにはめくるめく、この作家にしか描き出せない独自のアリスの世界が展開されています。

カーライのアリスを見て感じるのは、それが何だか百科事典のように思えるのです。すべてのものは動きを止め、ピンで止められ標本にされているかのような不思議なアリスの物語。

カーライを語る時に恐らく良く引き合いに出されると思うのですが、ヒエロニムス・ボス(現在映画が公開中ですね)の影響もよく見て取れます。個人的にはボスをシュルレアリスムの上で再構成したような、そんな摩訶不思議なアリスの世界を描いています。

ちなみにカーライはこのアリスの仕事でブラティスラヴァ世界絵本原画展でグランプリを獲得しています。

最後はチェコの作家Marketa Prachatickaのアリスです。

当店在庫品はドイツ語版で、不思議の国のアリスと鏡の国のアリスが1冊になったものですね。

耽美的、とも言えるような独特な美意識が静かに横たわっている、そんな絵本です。原作者のルイス・キャロルの本業は数学者だったことは有名ですが、そうした事を思い出させる幾何学的な画面構成を駆使しつつ、アリスの持っている危うい少女性をその直線に浸透させています。中毒性の高い絵で、宇野亜喜良さんや野中ユリさんが好きな方にはたまらない作品ですよ!

オンラインストアでは当店のほかのアリスの在庫商品も一緒に並べておりますので、どうぞご覧ください。

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