皆さん御存知のトミー・ウンゲラー。
日本でもとても人気の作家なのですが(もちろん自分も大好きです!)未翻訳の本も多いんですよね。
未翻訳の本が多いと言っても、その多くはウンゲラーのもう一つの側面、グロテスク/エロティックな作品が中心なのだと、自分は思っていて、ウンゲラーの子ども向けの作品は、もうほとんどが翻訳されているのかな、と思っていたのですが…、いやいや、まだありました。
この『ASK ME QUESTION』(1968年/HARPER & ROW)です。
各ページには『?』が隠れたイラストと、子どもが発するような、ちょっと変な問いかけ。
その質問は、ナンセンスのような、イノセントのような…。
でも、そうした空気を模した、ウンゲラー流の人を喰ったユーモアでもあるような…。
この絵本も、厳密には子ども向けではないと思うのですが、不思議な魅力を持った作品であることには間違いがありません。
ウンゲラーの残した多くの作品。
子どもに向けられた作品と、大人たちに向けられた作品、その二つを結ぶような、その二つの領域の中間地点にあるような、短いながらもウンゲラーのエッセンスが詰まった作品だと思います。
珍しい絵本なので、価格も結構高いのですが、トミー・ウンゲラーがお好きな方には是非手に取ってもらいたい作品です。
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