「Den flygande trumman」Lennart Hellsing Poul Stroyer

世界各国の洋書絵本の扱いが多いので、当店のお客さまはもう馴れているのか、常連さんからはあまり聞かれないのですけれど、たまにお客さんとお話しているときに洋書の絵本を(それも英語じゃなくてポーランド語のものとかを…)勧めると、でも読めないですよねえ…って仰る方もいらっしゃいます。

勿論そう言うのも当然ですよね。

読めないのに買っても…って気になってしまうのもわかります。

そんな時に私は、一旦お話は忘れて、絵だけを見てはどうですか、とお話します。画集のように見てみては如何ですか、と。

その絵本は日本語では出ていないのです。だから日本語の解説付きでその絵を見ることは出来ません。

ですが、その絵はその遠い国で描かれたもので、よくよく見さえすればその国の文化の歴史が様々に入っていることがわかります。

色の使い方、線の動き、そうした抽象的な次元だけでなく、絵の中に出て来る動物や植物の種類、人々の生活、その絵からは自分の住む場所とは異なる文化を多く読むことが出来ます。

そして絵だけであっても、お話は少しはわかりますよね。

絵からだけでも、色々と想像できて、楽しむことも出来ます。

話が少し横にそれてしまいますが、モーリス・センダックはコールデコットの絵本について、絵がお話を引き出していると、とても高く評価していました。

歴史的な視点から言っても、文(主)/挿絵(従)の関係だったものをコールデコットはその表現方法により、お話の中の絵を、(主)だった文と同等かそれ以上のものへ引き上げた人物でした。

「洋書絵本のお話が読めない」このことについて考えていると、こうした絵本の絵と文の関係についてまで、考えが及んでしまいます。

文が読めないほうが損なのか、絵が見えないほうが損なのか、そんな答えの出ないことまで考えてしまいます。

特に結論めいたことも何もないままの、これは前置きだったのですが…こちらは勿論、(私は)読むことの出来ないスウェーデン語の絵本です!

2冊ともに絵はポール・ストロイエル、お話はレンナート・ヘルシング。この組み合わせの絵本は以前にも紹介したことがありましたね(海賊の絵本です)。

ポール・ストロイエルの愉快な絵をたっぷり楽しめる、パン屋さんのお話と「空とぶタイコ」と言った意味のタイトルの2冊の絵本です。

パン屋さんの方はもう生活の何から何までが「パン!」のパン屋さんのお話で(棺桶までパンです…)、そして後者の方は…ごめんなさい…こちらの絵本は不思議な場面のイラストの連続の絵本なので、是非スウェーデン語がわからないまま絵を見てほしいです。

そしてどんなお話なのかを想像して是非聞かせてほしいですね〜。

レンナート・ヘルシングですので、言葉遊びを使ったナンセンスで面白いお話なんだと思います…!


当店のスウェーデンの絵本はこちらです。


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