買い付けやイベントが続き、久し振りになってしまいましたが、本日はオンラインストアの方の商品を更新させて頂きました!
クリスマス絵本を幾つか更新しております。ですが嬉しいことに既に更新している途中からお買い上げも頂いておりますので、気になるものがございましたらお早めにお願い致します。
さて、本日紹介するのは今日更新させて頂いたものの中から、ロジャー・デュボアザンによる「サンタをたすけたくじら」です。
デュボアザンの絵本は日本語にも多くなっているので、皆さんお持ちの本も多いかと思いますが、この絵本は現在絶版で手に入りづらくなっているため見たことがない方も居るでしょうか。
ある年のクリスマスを前にした頃、サンタさんのトナカイたちがそろって病気になってしまいます。
プレゼントを運ばなければいけない困ったサンタさんはクジラに助けを求めることに。そしてクジラと一緒に世界の海をまわりプレゼントを配りに行くのです…。
この絵本を何より楽しいものにしているのは、デュボアザンのこのちょっと変な愉快なお話を、関西弁で翻訳しているところなんです。
サンタさんもトナカイも、くじらもハスキー犬もみーんな関西弁です!
トナカイが寝込んで困ったサンタさんの独り言も、
「そうはゆうても、あと8日か。どないしたらええんやろう…」
「えんとつがわしをよんどるわい!」
「くつしたもでばんをまちきれんでおるし!」
「クリスマスツリーが世界中にかざられてるゆうのに!」
「こりゃー、たいへんなことになったわい…」
などと、思わずクスリとしてしまいます!
私は横浜に生まれて育って、ほとんどテレビの中などでしか方言というものに触れてないので、こうした関西弁など方言にはある「色」を感じてしまい、この絵本はその「色」が上手くはまっているのですが、しかしその分「普遍性」と言うようなものは失われてしまっている気もします。
しかし、それはすべて反対のことも言えるはずで、関西圏の人にはこの関西弁という言葉こそが色のない普遍的な言葉のように感じられていて、所謂標準語に「色」を見ているかもしれません。
ともかく、この絵本に関してはこの関西弁がとても良く似合って、この言葉の持つリズムの良さや愉快な感触が、この絵本のお話の魅力を存分に引き出してくれていることは確かです。
翻訳をされているのは中西由利子さんで、出版社主催の絵本翻訳コンクールで優勝し、この絵本の出版に至ったようですが、そうしたプロではないアマチュア的な感覚がこの翻訳では瑞々しく、とても新鮮に感じられますね。プロのの人は怖くてこんな翻訳で本を出せない気がします。
勿論デュボアザンの絵も素晴らしいですよ!
是非、この楽しい翻訳でも、読んでみて下さい。
当店在庫はこちらです。
「サンタをたすけたくじら」ロジャー・デュボアザン
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