「Archibald und sein kleines Rot」Binette Schroederほっぺたが落ちる、という慣用句がありますが、まさか本当に落っこちてそのほっぺたが旅に出てしまうなんて誰に想像できたでしょうか。ドイツの女性作家、ビネッテ・シュレーダーが描く怠け者のアーチボルドは、毎日食べては寝てを繰り返すばかりの生活を送っています。そんな生活に退屈になったアーチボルドの右のほっぺたは、ある日彼の顔を抜け出して、コロコロ転がって旅に出てしまいます。ほっぺたがないことに気が付いたアーチボルドは慌ててほっぺたを追いかけます。気が付けばアーチボルド自身も色んな場所を旅しています。山へ、海へ、そして空の上までも!しかし、どこまで追いかけてもつかまえられないほっぺたに、とうとうアーチボルドは諦めて家へ帰ることにするのですが…。...19Apr2017news日々の絵本
「はるなつあきふゆ」ジョン・バーニンガムジョン・バーニンガムの絵本の言葉、あの短く切り詰められた言葉がとても好きなんです。何度も思い出す言葉、心の中で暗誦して、繰り返す言葉。はるになったらそれは意味としては普通の言葉なので、例えばそれを私が口に出していったとしても、誰も、何か本の中の言葉を言っているとは思わないと思うのですが、けれど口に出して言う私の心に中には、バーニンガムの描く風景とともに、その言葉が響いているのです。はるになったらバーニンガムは日本語訳はその短く美しい言葉を、谷川俊太郎さんの素晴らしい訳で読める本が多いのですが、谷川さん以外でも光吉夏弥さん、岸田衿子さんが手掛けており、そのどれもが素晴らしいのです。このバーニンガムの絵本「はるなつあきふゆ」は岸田衿子さ...18Apr2017news日々の絵本Blog
4月18日新入荷商品本日の新入荷商品更新致しました!本日は読み物ではベケット、シュティフターなど、良いものが入っております。絵本では洋書絵本のグリム童話や、グラビアンスキーの聖書物語、ほかにもバーニンガムの傑作絵本「はるなつあきふゆ」、エリック・サティの絵本「サティさんはかわりもの」など色々と入っておりますので、是非オンラインストアでも御覧ください。18Apr2017入荷情報
「びんぼうこびと」太田大八以前太田大八さんの絵本を紹介した際に、幼い頃に読んで一番記憶に残っている絵本のひとつとして書名を挙げたのがこの「びんぼうこびと」でした。極彩色のサイケデリックな色調、そして子ども心に妙に納得がいかないお話に、居心地の悪い、何だか怖い絵本として記憶の底に残っていたのです。でもそれも、ずっと忘れていたのですけれど。大人になって、再びたくさんの絵本と触れ合うようになって、ある時太田大八さんと瀬田貞二さんによる「世界のむかしばなし」を手に取った時に、あれ、何だかこの絵の感触、感じたことがある気がする、と思ったのです。暖色の色彩、うねったような、歪んだような曲線と文様のリズム、それは気のせいではない気がして、すぐにこの太田大八さんの他の著作を...17Apr2017news日々の絵本
4月17日新入荷商品本日の新入荷商品を更新致しました!本日はドイツの絵本が入っております。エルゼ・ヴェンツ・ヴィエトールの「ちいさなヘーヴェルマン(シュトルム作)」やFelicitas Kuhnの絵本などが入っております。ほかにも太田大八、大畑いくのさんのサイン本など色々と更新しておりますので是非オンラインストアで御覧ください。17Apr2017入荷情報
「ワイズ・ブラウンの詩の絵本」マーガレット・ワイズ・ブラウン レナード・ワイスガード今日は横浜も春らしい良い天気でした。風が穏やかで日差しが暖かく、見上げれば空は白く霞んで。午前中に洗濯物を干す時にベランダに出ると、小さなものが何か落ちているのが目に入り、手に取って眺めてみると、それはミツバチで、日向で死んでしまっていたからか、ミツバチは少し暖かかったのです。この感じは何か読んだことがある気がすると、ぼんやり思ってのですが、思い出したのはマーガレット・ワイズ・ブラウンとレナード・ワイスガードの絵本「ワイズ・ブラウンの詩の絵本」と言う本でした。この「ワイズブラウンの詩の絵本」は当店でも度々紹介しているアメリカ絵本の巨匠二人による絵本です。原書タイトルは「Nibble nibble : poems for childr...14Apr2017news日々の絵本
4月14日新入荷商品本日の新入荷商品更新致しました!本日は当店でもいつもお薦めさせて頂いているアメリカの絵本作家レナード・ワイスガードの絵本が入荷しております!他にも植田真さん、和田誠さん、デイヴィッド・ウィーズナー、ほか、スズキコージさん挿絵の珍しい児童書「ドン・キホーテ」なども。読み物では「カフカ マイナー文学のために」ドゥルーズ/ガタリ「古代芸術のコスモロジー ヴァールブルクコレクション」ロジャー・ヒンクスなどの人文/芸術系の本も入っておりますので、是非オンラインストアで御覧ください。14Apr2017入荷情報
「目であるく、かたちをきく、さわってみる。」マーシャ・ブラウン本日更新したマーシャ・ブラウンの本を紹介させて下さい。「目であるく、かたちをきく、さわってみる。」というマーシャ・ブラウンが写真に文章を付けた本です。この本は以前佑学社から三冊分冊で「マーシャ・ブラウンの写真絵本」(絶版)として出ていたものを、一冊にまとめ本なんです。マーシャ・ブラウンは皆さんご存知かと思いますが「三びきのやぎのがらがらどん」を始めその作品ごとに画法や画材を変え、その本に相応しい絵をいつも作り出し、素晴らしい絵本を数々出版した作家です。また、その受賞歴も華々しく、コールデコット賞を3回受賞(歴代最多)、次点のオナー賞も含めると計9回も受賞しているアメリカを代表する絵本作家のひとりです。そんな「絵本作家」の「写真絵本」...13Apr2017news日々の絵本
4月13日新入荷商品本日の新入荷商品を更新致しました!実は昨日も一昨日も更新していたのですが、数が少なかったためこちらではお知らせしておりませんでした。申し訳ございません...!さて本日は以前ご紹介してとても反響のあった絵本ベン・シャーンの「Love Sonnet」が再入荷しております。今回の入荷商品は残念ながら状態があまり良くないためお安くなっております。。他にもマーシャ・ブラウンの絵本、バーバラ・クーニー、ウンゲラー、パレチェクの絶版絵本などなど入っておりますので是非オンラインストアで御覧ください。13Apr2017入荷情報
「The Easter Egg Artists」Adrienne Adamas今年のイースター(復活祭)は今週末の16日です。日本ではあまり馴染みのないイベントですが、最近は随分耳にするようになり、イースターエッグなども見掛けるようになりました。本日は、イースターの絵本が入荷しておりますのでその中から一冊ご紹介したいと思います。以前、『CABBEGE MOON』『魔女たちのパーティ』などを紹介させて頂きましたアメリカの作家エイドリアン・アダムスの『The Easter Egg Artists』です。イースターエッグデザイナーのうさぎのアボット夫妻には、かわいい息子オーソンがいました。イースターエッグアーティストとしてはまだまだの彼は、復活祭までの間に出かけた先々で、様々なことを経験します。まずは、錆びた車とト...12Apr2017news日々の絵本
「MOTHER GOOSE」ARTHUR RACKHAM本日はアーサー・ラッカムによるマザー・グース本が入荷しております。ラッカムの名前はこちらでももう何度も挙げておりますが、20世紀初頭の英国における挿絵絵本の黄金時代を代表する作家で、今なおたくさんの作家に影響を与え続けています。絵本、と言ってもラッカムの美しい妖艶さは暗かったり怖かったりと、子どもにはあまり好まれないかもしれません。しかし、先日のイベントでもお子さんがトロルが好きだとお話ししてくださった方がおりましたので、かえって怖いもの、不気味なものだからこそ惹かれるということもあるのでしょうね。ラッカムの影響を色濃く受けた現代のオーストリアの作家リスベート・ツヴェルガー(以前ピノッキオをご紹介しましたね)も、自身の絵に行き詰まっ...11Apr2017news日々の絵本
「くまのブウル」「野うさぎのフルー」フェードル・ロジャンコフスキーこちらは福音館書店の「こどものとも」の手本となったフランスの絵本のシリーズ「ペールカストール」の代表的な作家のひとり、フェードル・ロジャンコフスキーの絵本です。ロシア出身のロジャンコフスキーは戦渦を逃れパリへと辿り着き、そこでペール・カストールの生みの親、教育者のフォシェ夫妻と出会いペールカストールシリーズの作家となり成功を収めました。しかしその後フランスもまた戦争に巻き込まれ、彼は各地を転々とした後アメリカへと移り、その地でも多くの作品を作り1956年にはコールデコット賞も受賞しました。さてこの絵本はジャンルで言えば「科学絵本」のジャンルなのでしょうか。「くまのブウル」は熊の、「野うさぎのフルー」はうさぎの生態を描いた絵本です。け...10Apr2017news日々の絵本