「かっこうをそだてたにわとり」エリザベト・イバノブスキ Elisabeth Ivanovskyベルギーで創業のCASTERMANが出版したファランドールえほんシリーズが数冊入荷いたしました。日本では30年以上前にブック・ローン出版が15冊ずつ箱入りのセットで販売しており、今回入荷したものもすべてこちらの日本語版です。たくさんの作家によって描かれた動物やこどもを題材にした世界は、当時のこどもたちに大変親しまれましたが、現在では絶版になっています。入荷した中から今日は、昨日より始まった「愛鳥週間」にぴったりな一冊をご紹介します。ベルギーの画家エリザベト・イバノブスキの「かっこうをそだてたにわとり」です。 お話はこのファランドールえほんのマルチーヌシリーズで知られる、同じくベルギー出身の作家ジルベール・ドラエイです。ある農園で暮ら...11May2016news日々の絵本
「75years of Children's Book Week Posters」現在、第58回となる「こどもの読書週間」期間中ですが、アメリカでは日本よりずっと早くこのような運動が始められました。1919年に設立された「Children's Book Week」は、今年で97年目となり、100周年も目前です。その活動を広めるのに大きな役割を果たしたのがポスターでした。今回ご紹介する本は、「Children's Book Week」が始まって75年目に出版された、その歴代ポスターの作品集です。 開いてみると、1ページごとにその年のポスターがカラーで大きく掲載され、横にはポスターの絵を描いた作家の紹介が添えられています。その顔ぶれは錚々たるもので、日本で広く知られている作家も多数います。少し名前を挙げて見ますと、モ...10May2016news日々の絵本
5月10日新入荷商品本日新入荷商品では全く時期ではないのですが、クリスマス絵本が入ってきております。「ちいさなろば」エインズワース 酒井信義「ちいさなもみのき」クーニー「クリスマスのうさぎさん」ウィルとニコラス「もみのきそのみをかざりなさい」五味太郎「くるみわり人形」いせひでこ他にも絵本では長新太さん、イブ・スパング・オルセン、バーニンガム、なども入っております。芸術書では「センチメンタルな旅 冬の旅」荒木経惟「バレエ・リュス その魅力のすべて」芳賀直子読み物では「ハックルベリィ・フィンの冒険」トウェイン 小島信夫訳「不信の時代」ナタリー・サロートなども入っております。それではどうぞよろしくお願いいたします。10May2016入荷情報
「ちいさいおしろ」サムイル・マルシャーク 作 滝平二郎 絵 Samuil Marshakこの「ちいさいおしろ」の作者サムイル=マルシャークは詩作、そしてシェイクスピアのロシア語への翻訳などからその創作活動を始め、そののち子どものための作品も多く手がけ、やがては20世紀のロシア児童文学を代表する作家となりました。日本でもマルシャークの児童戯曲「森は生きている」は数十年前から今に至るまで親しまれ、子どもの頃に何処かで見たり、または自分たちでこの劇を演じた方も多くいるのではないでしょうか。こちらの「ちいさいおしろ」も子どものための戯曲作品で、小さな動物たちが活躍し、協力し合い、ずる賢いオオカミやキツネを退治するお話になっています。お話の大筋はよくある典型的なお話ですが、リズミカルな言葉、そして歌うようなリフレインはお話を聞く...09May2016news日々の絵本
5月9日新入荷商品本日新入荷商品では美術書の良本が入ってきております。「WOLS ヴォルス画集」みすず書房サルトル、滝口修造、ハフトマン、ロッシェがテキストを書いております。「Barnett Newman」カタログレゾネとはいかないまでも、ニューマンの代表的な作品はほとんど掲載されている画集です。「大竹伸朗 全景」外箱に小痛みがあるだけの美品です。他にもブラマンク、ラファエロの図録なども入っております。そして絵本では「太陽と月のカラス」タチヤーナ・マーヴリナ「こねこのミトン」クレア・ターレー・ニューベリー「ガッタンゴットン」スズキコージほかにもいせひでこ、レオ=レオニなども入っております。是非オンラインストアでご覧ください。09May2016入荷情報
「ぼくがとぶ」佐々木マキ Sasaki Maki人は何故飛ぶのか?わかりませんが、今までに多くの人びとが飛行の願望を持ち、空への憧れを抱き続けたことは、間違いないでしょう。例えばそれを、日本で暮らす私には宮﨑駿さんの諸作品に見たり、また稲垣足穂の作品からも読めることでしょう。そしてもう一人、サン=テグジュペリも、忘れてはいけないひとりかもしれません。こちらの絵本、佐々木マキさんの「ぼくがとぶ」は、今挙げた作家たちにつらなる、飛行への夢を描いたとても魅力的な一冊です。一番最初に「ぼくが何を作っているか きみはわかるかい」ではじまるこのお話の中に、何故飛ぼうとするのかは何も描かれてはいません。ただ、飛行機を作るのです。最初は失敗して、墜落してしまいます。もう一度やり直して、今度は成功...06May2016news日々の絵本
5月6日新入荷商品久しぶりの入荷更新です。買い付けの本の更新は通常の入荷更新とは別にお知らせいたしますので、お待ち頂ければと思います。さて、本日の絵本の入荷では「ジャンヌ・ダルク」モンヴェル「ノアのはこ舟のものがたり」E・ボイド・スミスそして、ファランドール絵本シリーズが6点「うさぎのパーティー」シモーヌ・ボードワン「チョコレートのたまごがうみたかっためんどり」フィリップ・サランビエ「かっこうをそだてたにわとり」エリザベト・イバノブスキ「さむいふゆとこまどりのプティ・アミ」エリザベト・イバノブスキ「きんのつのをもったやぎ」エリザベト・イバノブスキ「ジャンがきいたあさのおと」アラン・グレ他にも「ケイト・グリーナウェイの遊びの絵本」ケイト・グリーナウェイ...06May2016入荷情報
通常営業再開のお知らせ昨日、ウィーンより帰国いたしました。本日午前中にはブダペストから送った本も、数箱届きました。買い付けた本をどのようにまとめて紹介するか思案中ですので、決まり次第お知らせできればと思います。平日は毎日更新しておりました絵本の紹介も、明日より再開できるかと思います。発送休止期間中に頂いたご注文は明日までには全て発送予定です。お待たせしたしまっていたお客様には、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。明日からは通常通り、ご注文確定日の翌日の発送が可能になりますので、どうぞ宜しくお願い致します。今回は初めての海外への買い付けだったのですが、このように買い付けに行かれる他のお店はどのくらい買うのだろう、などと思いながらも、当店のお客様に喜...05May2016news旅
Thomas Bernhard Café Bräunerhof トーマス・ベルンハルト/ブロイナーホーフウィーンではトーマス・ベルンハルトの通ったというカフェ、ブロイナーホーフへも。窓にはベルンハルトの写真が貼られ、彼の席はどこの席かと聞けば、ウェイターが指差して教えてくれました。トーマス・ベルンハルトの「ヴィトゲンシュタインの甥」という小説ではこのブロイナーホーフ、そしてザッハーがしばしば出てきます。ヴィトゲンシュタインの甥であり、ベルンハルトの親友でもあるパウルは、このブロイナーホーフの上に住んでいました。晩年に交友の少なくなってしまったパウルのことを、ベルンハルトはここに座って度々思ったそうです。「ヴィトゲンシュタインの甥」はベルンハルトがそのパウルのことをふらふらと語る、不思議な小説です。ガイドブックにも乗っているカフェですが...03May2016news文学旅
ウィーンの古本屋ウィーンでまわった古書店は、中心部に集中し、棚やディスプレイがしっかり作られ、きちんとした印象を受けるお店に多く当たりました。ブダペスト、プラハからユーロ圏に入り、急に物価が高くなり、そのため多くは買えなかったのですが、こちらのお店では古いドイツ語の絵本をいくつか買うことができました。店主も物腰の柔らかい優しい人で、閉店時間を過ぎるまで本を選ばせてくれました。お隣ドイツで創刊されたインゼル文庫も置いており、当店らしいものを選んできました。中心部から少し離れた場所にある絵本専門店の店主には、どうやってこの店を知ったのかと不思議がられましたが、拙い英語同士で色々と話をして、値段もずいぶんおまけしてくれました。本に携わるたくさんの方たちと...03May2016news旅
プラハの古本屋こちらに来てから、進んで話しかけてきてくれる店主たちに大変助けられています。プラハ滞在二日目に訪れた赤いドアのこの古書店では、じっくり店内の棚から本を選ぶ私たちの姿を見て、奥から貴重な本をどんどん持ってきてくれました。その中には、日本でも人気のあるクヴィエタ・パツォウスカーの日本円で6桁するような未綴じ本までありました。チェコで有名なデザイナーも教えてもらい、最後にはおまけまでいただいてしまいました。皆さんとても親切で、一軒一軒名残惜しい気持ちで店を後にしています。こういったお店から連れ帰る本を、日本で沢山の方の手に届けることができたらいいな思います。商品の発送、お休みしておりまして申し訳ございません。帰国次第、順次発送させていただ...02May2016news旅
カフカの墓今はプラハにいます。花を買ってカフカのお墓へ来ました。朝は雲ひとつなく晴れていたのに、墓地へ着く頃には雲行き怪しく、カフカのお墓へ着くとちょうど降り出した、などと言えば、物語に過ぎるでしょうか。数年前にモンパルナスの墓地でベケットのお墓へ行った時のことを思い出しました。お墓を前にして沢山の思いがあるのに、有りすぎて、まるで何もないように感じてしまう。これは杜牧の詩でしたか。多情は却って似たり 総て無情なるに唯覚ゆ 樽前笑うも成らざるを蠟燭心有りて 還た別れを惜しみ人に替わりて涙を垂れて天明に到る今、すぐに思い出せるカフカの言葉は「まるで秋の道のようだ 掃き清めたと思ってもまた枯葉に覆われる」プラハの小径で、この道を彼がいつか通ったの...01May2016news文学旅