「イソップのお話から」バーナデット 絵 矢川澄子 訳 Bernadetteバーナデット・ワッツについてはお話したでしょうか。個人的にはワッツの作品には2種類の絵の傾向があると思っています。ひとつは可愛らしく親しみやすい絵柄、そしてもうひとつは風景が主体になった芸術性の高い画風、その中間のような作品も見られますが、例えば後者の代表は「ヨリンデとヨリンゲル」前者の代表は「おじいさんの小さな庭」などでしょうか。個人的な好みはありますが、そのどちらが優れているというわけでもなく、それぞれワッツ独自の魅力なのだと思います。こちらの絵本「イソップのお話から」は先程のカテゴライズだと後者に入るのでしょう。見開き1ページの片側にワッツの絵、片側にイソップのお話が1話という構成で作られています。ページによって異なりますが、...08Apr2016news日々の絵本
4月8日新入荷商品本日新入荷商品では「NURSERY RHYME CLASSICS」KATE GREENAWAY「THE NIGHTINGALE」NANCY EKHOLM BURKERT「アイスクリームの国 詩人が贈る絵本」アントニー・バージェス ファルビオ・テスター「えのすきなねこさん」西巻茅子などの絵本が入っております。ナンシー・エコーム・バーカートは度々ご紹介しておりますが、当店ではいつもお薦めしたい作家のひとりです。読み物では他にも「ネオンと絵具箱」大竹伸朗「ジョージア・オキーフ伝記」ローリー・ライルなどの芸術関係「人はある日とつぜん小説家になる」古谷利裕「盗まれた遺書」仙田学「オブ・ザ・ベースボール」円城塔「人生の色気」古井由吉など現代日本...08Apr2016入荷情報
「月へいった魔術師」クリスチーナ・トゥルスカ KRYSTYNA TURSKAクリスチーナ・トゥルスカの「月へいった魔術師」はポーランドのパン・トワルドフスキという貴族の物語が元になっているそうです。16世紀のこの人物はポーランドのファウストとも呼ばれクラコフの有名な錬金術士、占星術師だった男です。しかし研究に熱中する余り、おかしな人物と言われるようになり、黒魔術師と噂されるようになったそうです。この人物の伝承はポーランド民話の中に幾つもヴァリエーションを持って伝わり、この「月へいった魔術師」もその中のひとつなのです。ある高名な魔術師が、自分の力より大きなものを手に入れようとして悪魔と契約を交わし、そして最後には月へ行くという話です。ちょっと変わっているのは、終わり方がハッピーエンドでもバッドエンドでもない、...07Apr2016news日々の絵本
4月7日新入荷商品本日は外国文学で「ローベルト・ヴァルザー作品集 5」「わが生涯の書物 ヘンリー・ミラーコレクション13」「ウンベルト・サバ詩集」須賀敦子訳など面白い本入っています。他にも「Noix de Coco cherche un ami」ペール・カストール「なみにゆられて」今江祥智 作 長新太 絵「月へいった魔術師」クリスチーナ・トゥルスカなど絵本も色々入っています。また、町田市立国際版画美術館で出版された「子供と絵をかこう」「子供と版画をつくろう」なども入っています。読み物では他にも「ぼくの尺度 木島始エッセイ集」「心は二十歳さ」サン=テグジュペリ「制作の現場 磯崎新建築論集 8」また、デザイン系では「文字の博覧会」「WITHOUT THO...07Apr2016入荷情報
「TROLLSKOGEN」JOHN BAUER LENNARD RUDSTROMスウェーデンを代表する挿絵画家のひとりJohn Bauer(ヨン・バウエル)の「TROLLSKOGEN」です。ヨン・バウエル(1882-1918)は36歳という若さでなくなってしまった夭折の画家ですが、その短い生涯の中で素晴らしい作品を残し、当時の挿絵黄金時代の中で、ラッカムやデュラック、ニールセンにも影響を与えました。妖精やトロールたちを描いた幻想的で繊細な絵を見れば、誰もがそのファンタジーの世界へと誘いこまれてしまいます。入荷した商品はスウェーデン語のため、お話がわからないのが残念なのですが、森のなかでの妖精やトロールの姿を見ると、絵からは不思議とお話を読み取れそうな気もしてきます。これは彼が一流のファンタジーの画家であることの...06Apr2016news日々の絵本
「どろぼうだ どろぼうよ」フランツ・ブランデンバーグ 文 アリキ 絵 Aliki Brandenbergこちらの絵本はフランツ・ブランデンバーグ、アリキ夫妻の「どろぼうだ どろぼうよ」です。二人の兄妹エドワードとエリザベスは互いの部屋で、真夜中にふと目を覚まします。エドワードは耳を澄ますと、となりの空いているベッドで誰かが寝息を立てているのを聞き、自分の切手コレクションを盗みに来たどろぼうだと、息を潜めます。同じようにエリザベスも自分の部屋で、ベッドの下から寝息が聞こえるのを耳にし、夏中かかって集めた貝がらのコレクションを盗みに来たどろぼうだと、じっとしたままでいます。朝になり、コレクションを確認しますが、二人のコレクションは盗まれてはいません。夜中に寝息を立てていたのは実は、、、フランツ、アリキ夫妻の絵本は日本では「あたしもびょうき...05Apr2016news日々の絵本
4月5日新入荷商品本日新入荷商品では映画関係の書籍が入っております。「表現の世界 芸術前衛たちとその思想」松本俊夫「映像の発見 アヴァンギャルドとドキュメンタリー」松本俊夫「映画について」ジャン・コクトー「トリュフォー ある映画的人生」山田宏一「マノエル・ド・オリヴェイラと現代ポルトガル映画」「若松孝二 反権力の肖像」四方田犬彦・平沢剛 編絵本では「ぺろぺろぺろ」長新太「あんよあんよ ねえ あんよ」長新太「おぞましい二人」エドワード・ゴーリー「THE GASHLYCRUMB TINIES」Edward Gorey「繪本 即興詩人(新装版)」安野光雅「とうさんおはなしして」アーノルド・ローベルなどなど入っております。それではどうぞよろしくお願いいたしま...05Apr2016入荷情報
4月4日新入荷商品本日新入荷商品はスズキコージさん、友部正人さんによる「絵の中のどろぼう」そしてドイツ語の「ミヒャエル・ゾーヴァ画集」英語のビアトリクス・ポター本、こちらは彼女の若いころのデッサンや水彩から、ピータ・ラビットの原画まで、充実した内容のバイオグラフィー本になっていてお勧めです。他にも瀬田貞二、猪熊葉子、神宮輝夫の御三方による「英米児童文学史」人文/思想系では「神話と意味」レヴィ=ストロース「ロラン・バルト最後の風景」ジャン=ピエール・リシャール「攻撃」コンラート・ローレンツ文学系では「文学空間」(粟津則雄さんの署名入り)モーリス・ブランショ「イジチュールまたはエルベノンの狂気」マラルメ「定本 久生十蘭全集 8」なども入っております。他に...04Apr2016入荷情報
「絵の中のどろぼう」友部正人 文 スズキコージ 絵 Suzuki cojiスズキコージさんの珍しい絵本が入荷しました。「絵の中のどろぼう」です。なんとお話は友部正人さんが手掛けられています。見つからないようにと絵の中に隠れたどろぼう。持ち主が目を離しているスキに絵から出てきて色々といたずらをします。気味悪がって絵の持ち主は点々とどんどん変わっていって最後には、、、可笑しみがありながらも、何処と無く寂しさのようなものが漂う、ちょっと不思議な読後感を与えてくれる本です。フルカラーでなく墨色で描かれたスズキコージさんの絵も、爆発するように彩られた他の作品とは違った、抑制されたような印象を持ちます。この色も、この絵本に漂う寂しさの要素のひとつかもしれません。出版は1983年、まだ友部さんもスズキコージさんも30代...04Apr2016news日々の絵本
Frobergue in Cafe Roof Okurayama東急東横線大倉山駅近くにあるCafe Roof Okurayamaでは、当店がこのカフェのためにセレクトした本を販売しております。本は二ヶ月に一回、すべて入れ替えを行っており、絵本や小説、エッセイなどをはじめ、美術書、建築書、デザイン書、詩集まで、限られた冊数の中でも幅広いジャンルの本を、ルーフさんの素敵な空間に合うイメージで選ばせて頂いております。ルーフさんの営業日は基本的には火曜、水曜、金曜、土曜日の11時〜18時ですが、臨時休業などもございますので詳しくはルーフさんのホームページで確認をお願いいたします。ルーフさんで珈琲を片手に当店の本をゆっくりと見て頂けたら嬉しいです。お近くにいらした際には是非お立ち寄りください。03Apr2016news
「火打ち箱」赤木かん子 文 高野文子 ペーパークラフト THE TINDERBOXアンデルセンの「火打ち箱」は以前紹介したことのあるグリム童話の「青いランプ」ととても良く似たお話です。一人の兵士が魔女から手に入れた火打ち箱の石を打つと、茶碗くらいの目玉の犬、水車くらいある目玉の犬、塔くらいある目玉の犬が現れて、願い事を叶えてくれる。その火打ち箱の力でお姫さまを自分のものにしてしまうお話です。兵隊が火打ち箱を手にするまでが、異なっていますが、それ以降はお話はほとんど同じ、と言っても良いのでは無いでしょうか。アンデルセンは民話からの創作よりも自身の手による創作童話が多い印象ですが、その初期には幾つかの作品「火打ち箱」「えんどう豆の上に眠ったお姫さま」「小クラウス大クラウス」などは民話をもとに作られているようです。そし...01Apr2016news日々の絵本