「まいごになったおにんぎょう」A.アーディゾーニ E.アーディゾーニ Ardizzone

この「岩波の子どもの本」のシリーズでは素晴らしい絵本が多く出版されており、集めている方もいるのではないでしょうか。

このアーディゾーニの絵本「まいごになったおにんぎょう」もこのシリーズのひとつです。

お話を手掛けるのはアーディゾーニの息子フィリップの妻、アインゲルダ・アーディゾーニです。彼女との共作は「つきよのぼうけん」もありますね。

ひょんなことからあるお店の冷凍庫で暮らすことになってしまった小さなお人形を、ある女の子が見つけます。そのお人形が寂しそうに見えたので女の子は人形のために帽子を編んでオーバーを縫って、人形にプレゼントします。そこから人形とお女の子の交流が始まって、、、

この人形は最初別の女の子の人形だったのですが、その女の子からは愛されずに、運悪く冷凍庫に落ちてしまうのです。こうした、人形が子どもから愛してもらえない、というエピソードはしばしば見られるお話ではないでしょうか。以前紹介した「ミシュカ」もそうでした。

この挿話のタイプは大人の目線から語られていますが、反対に人形とお話する、という挿話は子どもの目線からのお話という気がします。

この「まいごになったおにんぎょう」はその二つの視点が絡み合った、啓蒙と共感の絵本だという気がします。

アーディゾーニの絵も素晴らしく、最後の、この人形が他の人形に冷凍庫の冒険の話をしている絵は、大好きで見ていると思わず笑みが溢れてしまいます。

当店在庫はこちら「まいごになったおにんぎょう

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