「動作」シバタリョウ個展「窓からの景色」より

シバタリョウさんの個展『窓からの景色』

昨日から始まりました。

当店としてはシバタさんの個展は2年半ぶり、2回めです。

当店のショッパーやショップカードも描いて頂いているので、当店の世界観が好きな方にはきっと気に入って頂ける作家さんだと思います。

本個展は前回のシバタさんの個展同様、自分がいくつかの文藝作品を選び、その中からシバタさんが描きたいと感じたものを、描いて頂く形になりました。

プレヴェール、エリュアール、シュペルヴィエル、ファージョン…。

この並びで既にうちのお店っぽいですよね…。

さて、こちらは『動作』という作品です。

フランスの詩人、ジュール・シュペルヴィエルの同名の詩から、シバタさんが描いたものです。

この詩は自分がフランス語の勉強をしている頃に読んだ記憶があります。有名な詩ですものね。

自分も、最初に読んだときから、この不思議な詩がいつまでも胸に残っていて、その後もポケットの中から度々取り出すようにして、思い出していた詩でした。

人間などには経験し得ないような永遠の彼方、この宇宙の不思議を記したかのようなこの詩を、本個展でシバタさんがこの美しく煌めく絵に昇華してくれました。本当に素晴らしい…!

以下、シュペルヴィエルの詩です。

シバタさんの作品とともに、読んで頂けたら。


動作(安藤元雄 訳)

その馬はうしろを振り向いて

誰もまだ見たことのないものを見た。

それからユウカリの木の蔭で

牧草をまた食べ続けた。

それは人間でも樹でもなく

また牝馬でもなかったのだ。

葉むらの上にざわめいた

風のなごりでもなかったのだ。

それは もう一頭の或る馬が、

二万世紀もの昔のこと、

不意にうしろを振り向いた

ちょうどそのときに見たものだった。

そうしてそれはもはや誰ひとり

人間も 馬も 魚も 昆虫も

二度と見ないに違いないものだった。大地が

腕も 脚も 首も欠け落ちた

彫像の残骸にすぎなくなるときまで。


<開催概要>

シバタリョウ個展『窓からの景色』

会期2024年2月1(木曜日)〜2月19日(月曜日)

12時〜18時/19日最終日は16時まで/水曜休み

オンラインストアは

2月7日(木曜日)から。

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