現在開催中のシバタリョウさんの個展「窓からの景色」ではメインビジュアルの絵はフランスの詩人、ジャック・プレヴェールの詩『鳥さしの唄』からシバタさんが絵を描いているのですが、今日2月4日はジャック・プレヴェールの誕生日でした。1900年なので、生誕124年ですね。
今回の個展ではこのメインビジュアルの他にもう1点、プレヴェールの詩から描かれたもの「血と羽根」もあるのですが、その紹介はまた後日。
『鳥さしの唄』(小笠原豊樹 訳)
とても静かに飛ぶ鳥
血のように赤くて暖かい鳥
とてもやさしい鳥 ひとをからかう鳥
だしぬけにこわがる鳥
だしぬけにぶつかる鳥
ほんとうは逃げたい鳥
孤独な狂った鳥
ほんとうは生きたい鳥
ほんとうは歌いたい鳥
ほんとうは叫びたい鳥
血のように赤くて暖かい鳥
とても静かに飛ぶ鳥
それはあなたの心だ 美しいひと
ひどく悲しげにあなたの心がはばたくのだ
こんなに重くて白いあなたの乳房の内側で
「鳥さし」と言うのは鳥を捕まえて生計を立てていた人のことのようです。
「鳥刺し(とりさし)は、鳥黐などを使用して鳥類を捕獲する行為、およびそれを生業とする人。古くから職業として成立しており、イソップ童話やモーツァルトのオペラ『魔笛』などにも登場する。また、狩猟の仕草を踊りや舞にした伝統文化が鳥刺舞、鳥刺し踊りなど各地に存在する」(wikipediaより)
プレヴェールはこの詩で鳥を、人の心と重ねて歌っています。
この胸の中にある、様々な感情が色めき揺れ続ける、この心が、この身体の中に埋め込まれている苦しさ、そして美しさ…。
わたしはこの胸の中の鳥を、あなたの胸の中の鳥を、そっと両手に包んで、抱きしめたかったのだ、なんて書くと、ロマンチックに過ぎるでしょうか。
シバタさんの描く絵とともに、プレヴェールの詩も、どうぞ読んでみて下さい。
店頭ではこの詩も載っている岩波文庫『プレヴェール詩集』も販売しておりますので、お手に取って、シバタさんの作品とともに見ていただけたらと思います。
<開催概要>
シバタリョウ個展『窓からの景色』
会期2024年2月1(木曜日)〜2月19日(月曜日)
12時〜18時/19日最終日は16時まで/水曜休み
オンラインストアは
2月7日(木曜日)から。
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