「うさぎたちのにわ」レオ=レオニ Leo Lionni

昨日紹介しましたレオ=レオニ「あいうえおのき」がとても好評だったので、まだオンラインストアにupしていなかったレオ=レオニの絵本を数冊ではございますが、本日更新させて頂きました。

その中からこちらは「うさぎたちのにわ」です。

世界一美しい庭に、三匹のうさぎが暮らしていました。

ある日、その中の年寄りうさぎが子うさぎ二匹に向かって「わしはしばらく留守にする。いたずらするなよ。そして覚えておくんだ。にんじんは好きなだけ食べていい。だがりんごには手出しはしないこと、でないと狐にやられるぞ」そう言いました。

子うさぎたちははじめはにんじんだけを食べていたのですが、やがてにんじんが何処にも見当たらなくなってしまいました。

お腹をすかせてにんじんを探しているとおおきな林檎の木に出会い、そこにいた蛇が「りんごを食べればいい」とそそのかすのです・・・。

気付かれたかと思いますが「禁じられた果実」「そそのかす蛇」とこのお話は明らかに旧約聖書の創世記が下敷きにされています。

昨日紹介しました「あいうえおのき」でも、創世記的な要素が見られることを言いましたが、こちらのお話はもっと直接的に引用がされていますね。

ですが、その後の展開は全く違います。

りんごを食べた二匹の子うさぎは狐に見つかってしまうのですが、その時にはなんと二匹をそそのかした蛇に助けられるのです。

そして帰ってきた年寄りうさぎに事の顛末を話すと、、、

結末は、アダムとイヴの物語に親しんだ身には何処か腑に落ちない終わり方を迎えるのですが、しかしそれこそがレオ=レオニの狙いなのかもしれません。神話の描き直し/再生とも言えるような、別の視点からの景色を教えてくれる絵本でもあると思います。

「シオドアとものいうきのこ」「せかいいちおおきなうち」「An Extraordinary Egg」もオンラインストアにはupしましたので、どうぞご覧ください。

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