本日upしたハンガリー絵本の中からSzanto Piroska(サーントー・ピロシュカ)1913年〜1998年をご紹介します。
ブダペスト出身の画家、イラストレーターで、ヴィヨン、ボッカチオ、シェイクスピア、キプリングなど多くの本の挿絵を手掛けました。
動物の登場する可愛らしい絵本も手掛けていますが、詩画集をはじめ文芸作品の挿絵などの仕事が多いのも特徴でしょうか。
静的でどことなく神秘的な絵を描き、当店にも入荷しております十字架のヨハネの詩画集などは吸い込まれるような魅力を持った本です。
また、多くの作家がその絵を手掛けた(昨年エドワード・ゴーリーのものも翻訳されましたね)T.S.エリオットのキャッツの絵本もあります。
黒を多く使う作家ですが、その黒い色は神秘的で、まるで宇宙の暗闇を覗きこむような深さを感じる、他の作家では感じられないような独特の印象を覚えます。
しかしその一方では踊り歌うような、楽しい線が織りなす絵本もつくっていて、深く広い魅力を持った作家と言えるのではないでしょうか。
文芸作品に強い絵本作家、という点で見ると当店の色にもあった作家だとも思っています。ご覧頂けると嬉しいです。
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