今はプラハにいます。
花を買ってカフカのお墓へ来ました。朝は雲ひとつなく晴れていたのに、墓地へ着く頃には雲行き怪しく、カフカのお墓へ着くとちょうど降り出した、などと言えば、物語に過ぎるでしょうか。
数年前にモンパルナスの墓地でベケットのお墓へ行った時のことを思い出しました。
お墓を前にして沢山の思いがあるのに、有りすぎて、まるで何もないように感じてしまう。
これは杜牧の詩でしたか。
多情は却って似たり 総て無情なるに
唯覚ゆ 樽前笑うも成らざるを
蠟燭心有りて 還た別れを惜しみ
人に替わりて涙を垂れて天明に到る
今、すぐに思い出せるカフカの言葉は
「まるで秋の道のようだ 掃き清めたと思ってもまた枯葉に覆われる」
プラハの小径で、この道を彼がいつか通ったのだと思うと、やはり不思議な気持ちになります。
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