「よかったねネッドくん」の作者レミー・シャーリップが、ペンキ職人の父と詩人の母を持つと聞くと、妙に納得してしまいます。
ハッと目を惹く色彩とデザイン感覚、そして繰り返されるリズミカルな言葉と愉快な展開が魅力のこの絵本には、そのご両親の影響があるのかもしれません。
日本でも幾つもの絵本が出版されており「いたずらこねこ」「ちいさなとりよ」などが特に知られているでしょうか。
本国アメリカでは絵本だけに留まらず、グラフィックデザイン、舞台美術、そしてダンサーや俳優、舞台監督としても活躍しているそうです。
この「よかったねネッドくん」はパーティーに誘われたネッドくんがパーティー会場へ辿り着くまでの道のりを描いた絵本なのですが、その道のりでの「運が良い出来事 / 運の悪い出来事」が1ページずつ交互に展開されていきます。
その出来事はハチャメチャなもので、飛行機は爆発、サメの海に落ち、虎には追いかけられるのですが、そのどの「運が悪い出来事」も、続く「運の良い出来事」に助けられお話は進んでいくのです。
その出来事を語る言葉はとてもシンプルに「よかった (Fortunately)/ でもたいへん!(Unfortunately)」で語られ、それはまるでしりとりやお話作り遊びのようで、この絵本を読でいると想像力がふくらみ、ネッドくんの冒険に出来事を自分で幾つも繋げてみたくなってしまいます。
そうした部分は小さなお子様から楽しめる絵本ですが、作者のシャーリップはグラフィックデザインの仕事もしていることもあり、描くその絵はデザイン性に富み、大人の審美にも耐えうる絵本になっています。どの年齢の方にもお薦め出来る絵本ですね。
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「よかったねネッドくん」シャーリップ
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