「SEEDS AND MORE SEEDS」Millicent E. Selsam Tomi Ungerer

九州・四国・近畿・北陸では今日梅雨明けだったそうで、関東ももう間近でしょうか。

夏の昼間は、今では外を出歩いている人も少ない気がするのですけれど、昔はもしかしたら違ったのかも、と歩きながら思ったりします。

もう少し涼しくて、もう少し太陽の陽射しも恨めしくなくて、人は陽に当たりに太陽の下へ出て、夏の匂いを喜んで吸い込んでいたのかも知れないと。

子どもの頃は、暑いから外に出ない、なんて選択肢がなかった気がするのは、子どもだったからなのか、それとも単にここまで暑くなかったからなのか、わかりませんね。

図書館のひんやりした空気や、プールの後の、心地良く気怠い夕暮れのことはよく覚えているのですけれど、夏の昼間の誰もいない通りは、見覚えのないものに映ります。

通りにいた人は、植物に水をやるためにサンダルで出てきたおじいさんくらいでした。

本の紹介までの話がだらだらと長くなってしまいました。失礼しました。

こちらは、トミー・ウンゲラーの本の中では珍しく(?)毒のない可愛さで溢れている絵本「SEEDS AND MORE SEEDS」です。

お話を書いているのはMillicent E. Selsam、アーノルド・ローベルとも絵本を作ったりしていますね。

パット見て分かる通り、種を育てるお話ですね。

石みたいに見える種からは何故芽が出てくるのか?石からなぜ芽が出てこないのか?

主人公のベニーが、不思議に思ったことを父親に尋ねながら、種から植物を育てる楽しみを発見していくお話です。

はじめは持っていた4つの鉢植えに小石、石、大理石、そして種を埋めるのですが、当然、芽を出すのは種だけです。

それからベニーは色んな種を植え、水をやり、様々な植物を育てていきます。育っていく植物を見る楽しさ、そしてこの種という不思議な物体への関心、とベニーの興味の幅は広がっていきます。

テキストは短いのですけれど、科学的なことへ興味を向かせる、その不思議の中へそれとなく導いてくれる、とても良い絵本ですね。

そしてやっぱり、ウンゲラーのイラストが可愛いです!

イラスト自体が、と言うのは勿論なのですけれど、テキストと絵の関係も、可愛いらしく素敵なんです。

「I want something new!」とベニーが言うページ(写真上げました)や、公園に種を探しに行くページなど、すごく好きです。

お子様から大人まで楽しめる絵本かと思います。

ぜひオンラインストアの方でもご覧ください。


当店のトミー・ウンゲラーの本はこちらです。

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