2019年1月4日にイングランド/ファーンハム出身の絵本作家、ジョン・バーニンガムが亡くなりました。82歳でした。
私はこの作家にはちょっと特別な関心、というよりも愛着を、持っているかもしれません。
20世紀の、偉大な絵本作家の三人を挙げるならば、モーリス・センダック、トミー・ウンゲラー、そしてこのジョン・バーニンガムの名前を、私は挙げたいのですけれど、その中でも関心より愛着のほうが勝っているのは、このバーニンガムだけだと思います。
他の二人は純粋にその作品への愛よりも、興味/関心が強いです。
バーニンガムの、様々ある絵本の中で、自分は何が好きだろうか、そんなことを考えるだけで、今は何だか寂しくなって、涙が出そうになってしまいます。
やはりシャーリーシリーズでしょうか。
自分が幼い頃から本を読んでいるときに、持っていた、本に対する希望が、そこにはある気がします。
この世界がどんなに嫌になったときでも、本を開けば、頭の中では自分はなんだってできるし、何にでもなれる、それがそのまま描かれていて、爽快でした。
うちの店でも人気があるんですが「SEASONS」も、良いですよね。
バーニンガムの絵と言葉の詩。
今日はこの絵本の1974年の4刷版など更新しております。(ごめんなさい。記事を書いている間にもう売れてしまいました!)
あとやっぱり、以前当店サイトのブログで長い記事を書いたことのある「おじいちゃん」
(https://frobergue.storeinfo.jp/posts/223804)
子どもの問いと、死が主題になっているこの絵本。
そのときに書いたのですが、この絵本の感想を、ある絵本レヴューサイトの中に、同じ感想を言う子どもが何人もいるのを見たのです。
以下自分のブログからの引用です。
<この絵本を子供に読んであげると最後「おじいちゃんは、どこへ行ったの?」と聞かれました>
と何人もの方が書いているのです。
そしてその中のお子さんのひとりは「この絵本、かなしいからいやだ」と言ったそうです。
このことに私はとても興味を惹かれました。
「おじいちゃんは、どこへ行ったの?」と子供たちは訊ねるのですが、この絵本が悲しいことはわかっているのです。
それならばなぜ訊ねるのか?
おじいちゃんが「(大人の言う)死んだ」ことはわかるのです。
でも、おじいちゃんはどこに行ったのか?
そもそも「死」とは何であるか?大人の私たちはわかった振りをしていますが、何もわかっていません。わかった振りして問いをやめて、それを答えにしています。
でも子供はそうではない。
おじいちゃんはどこへ行ったの?
きっと子供の感情はここなんだと思います。
「問い」で感情が終わっているのだと思います。
大人は「おじいちゃんは死んでしまった」という「答え」で終えるのですが、子供は問いで終えるのではないでしょうか。
引用終わり。
私はこの時、簡単に答えを出さないで、問い続ける姿勢の大切さを書きました。まるで大人みたいに。
でも今は、こう問わずにいられません。子どものように。
ジョン・バーニンガム、あなたはどこへ行ってしまったのですか?
0コメント