年の瀬に慌ただしく時間が過ぎていく中でも、時折は今年一年のことを思い出して、カレンダーにつけていた様々なしるしがもう色褪せていることを少し寂しくも思いますけれど、新しいまだ真っ白な日付は、何処までも清く映るので、一年の終わりのカレンダーを掛け変えるときの、寂しさとそれと期待が入り混じったこの作業をなんとなく好ましく思ったりしています。
本日、今年最後の商品の更新をさせて頂きました。
カレンダーというのとは少し違うのですけれど、本日はケイト・グリーナウェイのALMANACKです。
これもちょうど一年ほど前に入荷して以来の更新ですね。
今回入荷したものは(と言っても買ってきたのは今年の4月にパリで買ってきたものなのですが)、1883年英語版と、1884年のフランス語版です。
この「ALMANACK(アルマナック)」というのは、行事や聖人の記念日などを記した暦のことで、グリーナウェイは1883年からエドマンド・エヴァンスとともにこの出版を始めます。ですので今回更新させて頂いた1883年のものがこのシリーズで一番最初に作られた古いものになります。
この可愛らしい絵本はたちまち人気を呼び、本国イギリス、アメリカの他にもドイツやフランスでも出版されました。今回の1884年版はその中でも珍しいフランス語版です。
暦のグリーナウェイのイラストの可愛らしさ、そして当時の多色木版摺りの美しい印刷には思わず溜息をついてします。
日本では時折ギャラリーなどでこのアルマナックを各ページごとバラにして額装したものを見掛けるくらいではないでしょうか。
1883年のアルマナックを眺めてみると、復活祭は3月25日ですね。結構早い年ですねえ。ページをめくると、8月/9月のページ、そして10月/11月のページには押し花がされていた跡が付いてしまっていますが、それもなんだか素敵なしるしに見えてきます。
1884年のフランス語版のアルマナックには、最後にメモページがあるのですが、そこには、一部判読できないのですけれどフランス語で、恐らく知人か家族の生没年や結婚の日付(これは自分?)が記載されています。
130年以上前の、小さな小さな暦の本です。
もう顧みられることのない、誰かの日付がそこにあります。
当店のケイト・グリーナウェイの本はこちらです。
今年はこの本で、最後の本の紹介とさせて下さい。
何か別の投稿はさせて頂くかもしれませんが…。
今年も当店の投稿を見て頂き、誠にありがとうございました。
来年も皆様にとって素晴らしい一年になりますように。
0コメント