「アラネア」「まっくろけのまよなかネコよおはいり」J.ワグナー 文 R.ブルックス 絵 大岡信 訳 Jenny Wagner Ron Brooks

ジェニー・ワグナーとロン・ブルックスによる絵本が2冊入ってきました。

「まっくろけの まよなかネコよ おはいり」

「アラネア あるくものぼうけん」

の2冊です。

絵を手掛けているロン・ブルックスは1948年オーストラリア生まれの絵本作家です。オーストラリアにおいては最も知られた絵本作家のひとりで、オーストラリアにおける児童書の賞、CBCA Picture Book of the Yearも受賞しております。

入荷した中の一冊である「アラネア」は表紙の美しさにまず目を惹かれる本ですね。白と黒だけで描かれる繊細な絵には、思わず見惚れてしまいます。

一匹の蜘蛛が住処を求めて冒険するお話なのですが、その視点が蜘蛛からの目線はではなく、ハッキリとは書かれていないのですが、まるであたたかい心を持って観察している人間の視点で描かれているように感じます。

もう一冊の「まっくろけの まよなかネコよ おはいり」はまずタイトルが印象的ですね。訳はともに詩人の大岡信さんです。

犬とおばあさんの二人で仲良く暮らす家に、ある夜から、猫がやってくるようになりました。おばあさんが猫を可愛がろうとするので、犬は猫に嫉妬し家の中へは入れてあげないのですが、、、。

最後には暖かい結末が待っている、優しい絵本です。個人的には猫が一言も喋らないのが、この絵本のお話に良い効果を与えていると感じます。

どちらの絵本も1970年代初版の岩波書店の絵本です。汚れも少なく、紙の経年ヤケの具合がこの本が経た年月を感じさせ柔らかな風合いになっています。熟成、などと言ってしまうとワインのようですが、美しく年月を経た本、というものを感じさせてくれる状態の本と言えると思います。

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「アラネア あるくものぼうけん」

「まっくろけのまよなかネコよおはいり」 

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