当店のお客様の中にもファンの多いイギリスの絵本黎明期を代表する作家ウォルター・クレインの、こちらはオーピー・コレクションとして復刻された「THE SONG OF SIXPENCE(6ペンスのうた)」です。
お話は勿論マザーグースの歌の絵本ですが、表題の6ペンスの歌のほか、ウォルター・クレインによる「A Gaping-wide-mouth Wadding Frog」「The Old Courtier」の全部で3編が収録されています。
オーピー・コレクションの解説によると、元々はこの3冊のトイ・ブックは別々に発売されていたものだそうです。
中でも「THE SONG OF SIXPENCE」は1866年、 クレインの作品の中でもごく初期のもので、まだ21歳の頃の作品です。
まだこの頃は無名の存在だったため、その本にもクレインの名前は記載されていなかったそうですが、この3冊が一緒になった本が出版された1876年にはその名前は有名になっていて、表紙にも名前が記されたそうです。
トイブックはクリスマスシーズンなど用に、出版した幾つかの本をまとめたものを度々出していたようで、この絵本も、そんな中の一冊のようです。
クレインの中でもごく初期の作品とは言っても、その絵、装飾デザインには、まさにウォルター・クレインと言うような個性が既に現れています。
全盛期の作品に比べると拙い部分も見られるのですけれど、逆にそれが子どものための作品、と言うこの本/媒体と調和しているように感じられます。
美しさを追求した後期の作品よりも親しみやすさがあり、純粋に楽しく、面白く読むことが出来るかと思います。
絵本黎明期の作品を忠実に再現した、オーピーコレクションの絵本は本日も幾つか更新しておりますので、是非ご覧ください。
当店のオーピーコレクションの本はこちらです。
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