「さよならさんかく」安野光雅  Anno Mitsumasa

こちらは安野光雅さんの『さよならさんかく』です。タイトルの響きをどこかで聞いたことのある方も多くいらっしゃるかと思います。

「さよならさんかく またきてしかく」という語感の良い言葉ではじまり、しかくはとうふ、とうふはしろい…というように連想ゲームのようにつながっていく、これは昔から全国で親しまれてきたわらべうたで、その歌にあわせて安野さんが絵を描いてできたのがこちらの一冊です。

どこか懐かしい落ち着いた色味で統一された絵はもちろん、最後の「きえるはにんじゃ」までいったら本をひっくり返してふりだしに戻れるようになっていたり、見返しには安野さんの故郷、島根県津和野の染め紙を使っていたりと、 遊び心とこだわりがいっぱいです。そんなひとつひとつの要素から、古き良きものをこの本を通してずっと残していきたいと願う安野さんの思いが伝わってきますね。

最後には、このうたが全国でいろんなうたわれ方をしていることを紹介しています。それが、地方によって全然違うので自分が知っている土地のうたを探してみるのも楽しいかと思います。また、表紙の折り返し部分には編集部の方がこの本の楽しみ方を書いてくださっています。「2〜3人集まったら、順番に唱えていくのも楽しいでしょう。あるいはどこかのページを開いて「あかいは…。」とか「まるいは…。」と、知っているかぎり唱える遊びもできますし、また替え歌をつくることもできます。」通して読んだ後には、こんな風に友だちや家族とこの本を囲んで楽しむのも良いですね。

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