日本語にも多くの作品が翻訳され、愛されているレナード・ワイスガード。
その最初期の作品『CINDERELLA』を先日、オンラインストアに出しております。
絵本作家としてのデビューは37年の『Suki, the Siamese Pussy』だと思うので、この1939年出版のシンデレラは恐らく2作目か3作目ですね。
(この本の中のコピーライト表記は38年なのですが、ワイスガードの公式HPのビブリオグラフィーページには39年と記されているため39年としました)
現代の作家と組んで絵本を作っている印象が強いので、こうした古典童話の絵本を作っているのはちょっと意外な感もありますね。
絵柄も、やはりワイスガードだなと言う部分もあれば、自分の良く知っているワイスガードとは違う部分も多く感じられます。
一番興味深いのは、1939年の作品なのですが、この時代の同時代や少し前の20’sなどのアメリカの絵本作家の影はやや薄く、それよりも、フランスのペール・カストールの作家の影響が強く感じられることでしょうか。特に感じられるのはナタリー・パランですね。
そのペールカストールの作家でもあり、41年にフランスからアメリカへと渡ったフェードル・ロジャンコフスキー、25年〜41年までフランスに在住していたエスター・アベリルなどの存在も含め、この時代のアメリカの絵本作家たちへの、フランスからの影響はかなり強かったのではないでしょうか。
その後、どこから見てもワイスガードの絵本とすぐに分かるような独自の表現に到達し、素晴らしい作品を数多く残したレナード・ワイスガードの、この最初期の絵本『CINDERELLA』をどうぞご覧下さい。
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