『もりのなか』でどうぶつたちと

何年ぶりかに、ふと手に取ったマリー・ホール・エッツの絵本『もりのなか』。
コンテのやわらかい黒が、1ページごとにかわいいどうぶつたちを連れてきます。日本での発行が1963年。この色のない絵本は、文字どおり色褪せずに、50年以上も読み継がれてきたのですね。

エッツの絵本にはどうぶつたちが欠かせません。そこにはどうぶつたちと親しんだ幼い頃の環境が色濃く影響しているのだそう。たしかに、彼女の書くおはなしには、いつも人とどうぶつとの交流が描かれています。

もりにさんぽに来たぼくが、いろんなどうぶつたちと出会い、仲間を増やしながらどんどん進んでいく。この絵本は、読み聞かせ絵本としてとても人気があるとどこかで目にしましたが、なるほどじっくり読みながらページをめくっていくとその理由がわかってきます。
1、2、3、4
1、2、3、4・・・
と、絵本をとおして心地のよいリズム。
クライマックスはどうぶつたちとの大行進に“ろんどんばしおちた”。
そして、暗転したかのように、消えてしまうどうぶつたち。
ぼくの持つラッパは、そんなひとつの楽曲を知らせるシンボルのようにも思えます。

さようならぁ。みんな まっててね。また こんどさんぽにきたとき、さがすからね!

と、お別れを告げるところでお話は幕を下ろします。
もう一度会いたい、と思ったならば、『またもりへ』行けばいいのです。


当店にも在庫ございます。

「もりのなか」

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