先日はラ・フォンテーヌの寓話(Fable)の絵本、アレクサンダー・カルダー、モンヴェルのものを紹介させて頂きましたがこちらはアンドレ・エレによる「LES DOUZE PLUS BELLES FABLES DU MONDE」(世界中の12の美しい寓話といったところでしょうか)です。
アンドレ・エレは日本語訳でラ・フォンテーヌの絵本も出ているのですが、こちらはラ・フォンテーヌだけに限らないで世界中の寓話(Fable)の絵本になっています。
その中には日本のお話「因幡の白兎」も入っていますよ。
1871年パリ生まれのこの作家は、彼が活躍した1910年〜20年代から100年経った今の目で見てもとてもモダンに見えますね。
堀内誠一さんも愛したこの作家は、個人的にはフランスの絵本の歴史の中でも特別な天才のひとりだと思っております。
彼の絵は色、形、線、そのどれもが極限まで削ぎ落とされたシンプルな表現なのですが、それでいて、暖かみや優しさとでも言えそうな空気をまとった楽しく素晴らしい絵を見せてくれるのです。
それは100年も前の作家の作品とは全く感じられない新鮮さを驚きとともに与えてくれます。
当店のこの絵本は1947年刷(初版は1931年)で、紙の雰囲気も印刷も良いですね。エレの絵本はパリへ買い付けに行った時に一番の目的と言って良いほどだったのですが、本当に目にすることが少なく…滞在最終日に児童書専門古書店のオーナーの自宅でまとめて所有されていたのを譲って頂いたくらいでした。
その古書店のオーナーさん曰く、エレの古い本はフランスでも市場にはなかなか出ないそうなんです。
本日はアンドレ・エレの絵本はオンラインストアの方にこの一冊だけですが更新しております。少し先になってしまうかもしれませんが、今後も更新を予定しておりますので、楽しみにして頂けたら嬉しいです。
当店在庫はこちらです。
「LES DOUZE PLUS BELLES FABLES DU MONDE」Andre Helle
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