「Little Brother and Little Sister」Barbara Cooney

今日は一日曇っていましたが、季節はもう秋で、光の色も変わりはじめてきましたね。

秋の光を思うと、バーバラ・クーニー/デルモア・シュワルツの「わたしは生きてるさくらんぼ」のひとつのフレーズ「わたしは金」そしてその美しい1ページを思い出してしまいます(この絵本については以前紹介した記事はこちらです)。

こちらはそのバーバラ・クーニーの絵本「Little Brother and Little Sister」(グリム童話)です。日本語には訳されていない絵本ですね。

継母(実は魔女)から虐められていた兄と妹は、ある日家を飛び出します。しかしその魔女の魔法にかけられて、兄は鹿に姿を変えられてしまうのです。

鹿となってしまった兄を、妹はその後も優しく面倒を見てやり、森のなかで二人で暮らしていくのです。そこへある日王さまが狩りへやってきて…。

お話はまだまだ続くのですが、この鹿となってしまった兄と一緒に森のなかで暮らしている場面に、先に挙げた「わたしは生きてるさくらんぼ」とよく似た美しいページがあるのです。

金色に染まった森の木々の中で、子鹿に集めた葉を与えている場面です。

女の子も、とても良く似ていて、あの素晴らしい絵本の女の子と再び出会えた気がして、気付いた時にはとても嬉しくなりました。

輝く黄金色に紅葉した木々は葉を落とし、地面はその葉で覆い尽くされ、まるでこの星が輝く地面をもっているかのようです。

そして薄く漂う冬の予感が、このお話の先の展開に僅かに悲しい影を落としてもいます。

クーニーはきっと意識して描いているのでしょうね。(このグリムのお話のほうが後に描かれたものです)全く違ったお話の、二つの絵本の少女が響き合って、読み手にまた違った深い味わいを感じさせてくれます。

是非ご覧ください。

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Little Brother and Little Sister」Barbara Cooney

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