「Peter's Old House」Elsa Beskow

昨日に引き続きこちらもエルサ・ベスコフの「Peter’s old House」です。日本語版タイトルは「ペーテルおじさん」ですね。

スウェーデン版初版は1949年ですので、彼女の最晩年の作品の一つです。

ある村に暮らすペーテルおじさんは、たくさんの国の言葉が話せ、物知りで、医者でもあって、手先も器用で、村の人たちにいつもいろいろな事をしてくれるのですが、その代償にお金をもらうことはありません。そんな風に、子供達をはじめ皆から尊敬されていたのです。

ところがある日、そんなペーテルおじさんに困った事態が起き、、、というお話で、ファンタジーの要素はない完全なリアリズム作品ですね。

子どもが読めば素直に助け合いの心を受け取ると思うのですが、大人が読んでみると、贈与経済についてのお話とも読めます。

ベスコフ作品の幾つかには、彼女の明確な道徳観、教育観が表れているものがありますが、この最晩年にまでこのように「こども」について真摯に考えていたのだと思うと、その可愛らしい絵からは想像もつかないほどの厳しい姿勢に胸が打たれる思いがします。

当店在庫はこちら「Peter’s old House」

0コメント

  • 1000 / 1000