「もりのこびとたち」エルサ・ベスコフ 作・絵

母国のスウェーデンではその死後に彼女の名前を冠した賞が設立されているほどの、スウェーデンの国民的絵本作家、エルサ・ベスコフの「もりのこびとたち」です。

ベスコフはスウェーデンの豊かな自然からの影響を感じさせる作品を多く描いていますが、この「もりのこびとたち」もその一つです。

こびとの家族たちの、森の中での生活が秋から冬、そして春へと描かれています。その中では、カエル、フクロウ、ウサギや、妖精との交流が柔らかい語りで語られるのですが、ファンタジー色があまり強くなくリアリズムの感触を残しているのが、ベスコフ作品の特徴なのでは無いでしょうか?

突飛なことが起きる訳ではなくただ静かに、自然と寄り添う生活が、人間ではない者たちの姿で描かれるのを見ると、憧れと、懐かしさと、そして自らを省みる気持ちを感じとってしまいます。

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