チェコの絵本作家、そう言ってやはり一番最初に出てくる名前というのはこのヨゼフ・ラダではないでしょうか。
1910年頃から活動し、文学作品の挿絵から子供のための絵本まで多くの作品を残し、その影響はチェコだけにとどまらず、今でもなお世界中で愛されている作家ですね。
この「きつねとおおかみ」はラダが1930年代にイソップ寓話をもとに描いた絵に、後に文章を付けた絵本になっています。(この絵本のチェコでの初版は1975年)文章はイソップ寓話をもとにそれを短くしたり、また書き加えたりと適宜編集し直したものになっていますね。
ラダの絵本には、絵が先にあり、後になってから文章や詩が付けられたものがとても多いと、この絵本のあとがきには書いてあります。
それはつまり、彼が旺盛に活動した時代から長い時が経った現在でも、いまだに多くの読者を獲得し続けている証拠ではないでしょうか。
これを思うと、絵とお話で反対ではありますが、アメリカのマーガレット・ワイズ・ブラウンを思い出しますね。彼女の作品は未だに多くのイラストレーターが新しい絵を付けて作品を作っています。
ラダの描く動物たちは擬人化されている、とはっきりと言うほどではないのですが、人間らしい可笑しみがあり、何処かで自分が出会ったことのある人のような気がしてくるのから不思議です。
イソップ寓話の騙したり騙されたり、また賢かったり間抜けだったりするそんな動物たちに、人間の愚かでそれでも何処か愛らしい特徴を見てしまうのです。勿論それはラダの意図なのでしょう。
こちらの日本語版のラダの絵本「きつねとおおかみ」以外にも、当店がチェコで買い付けてきたラダの絵本はまだ残っているものがございますので、オンラインストアであわせて見て頂けたら嬉しいです。
当店のヨゼフ・ラダの在庫はこちらです。
「ヨゼフ・ラダの本」
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