このエルサ・ベスコフの絵本「Aroud the Year」は日本でも「いちねんのうた」として翻訳され出版されておりますが、個人的にはこちらの英語版がオススメです。
製本や印刷、また翻訳が悪いと言ったことではないのですが、この本の場合中のレイアウトデザインが日本語にするとどうしても、あまり美しいものに出来ないのですね。
この絵本は一年間それぞれの月の、その特色、花や季節の移り変わり、またその時々の伝統的な行事などが詩で歌われている絵本になっています。
日本語版はとても丁寧で、歌われる作者ベスコフの国、スウェーデンの伝統的な行事もわかりにくい部分には注を付けて詳細に説明されているのですが、それぞれのページを飾る月の名前が、日本語だと例えば「1月」と数字と漢字の組み合わせになってしまい絵とテキストをあわせて見た時にどうしても上手く馴染まないのですね。これはとても難しいですよね。
原書はスウェーデン語なのですが、月の名前に関しては英語とスウェーデン語でスペルでは、日本語に変えるほどの距離は無いので(スウェーデン語「FEBRUARI」英語「FEBRUARY」日本語「2月」)、デザイン的にも原書に近く、またスウェーデン語版だと、私はテキストが全く読めないので(多くの方がそうだと思うのですが…)、ですのでレイアウトも良く、何とか読むことも出来るこの英語版が良いかと思います。
ちょうど今の、5月のページをめくるとそこでは、輝く新緑と花が歌われています。あげた写真を見て頂けるとわかると思うのですが、昨日紹介しましたクライドルフとも似たものを持っていますね。二人はほぼ同世代の作家なんですね。
どちらかと言うとクライドルフのほうが芸術的な要素の強い作風で、ベスコフのほうが親しみやすいと言いますかイラストレーションとして完成されている絵を描いている感じがしますね。
この「Around the Year」はベスコフ、そしてクライドルフが好きな方には本当にお薦めです!
当店在庫はこちらです。
「Around the Year」Elsa Beskow
0コメント