「木の国の旅」ル・クレジオ アンリ・ギャルロン

本日は「フランスの傑作絵本」のシリーズの絵本が本日は3冊入荷しております。

このシリーズは1980年代に出版されたもので、シリーズの狙いとして「こどもの芸術的センスを目覚めさせる」ということがあるそうですね(解説冊子より)。

シリーズの特徴としてはお話を手掛けている作者がすごいんです。

今回入荷した3冊もル・クレジオ、ジェイムズ・ジョイス、そしてもう一冊は中世から現代にかけてのフランス詩(シャルル・ドルレアン、エリュアール、アポロネール等)に絵を付け絵本にしたものと、名前を見ただけでもびっくりします!

ジョイスは20世紀を代表する小説家ですし、ル・クレジオも今やノーベル賞作家ですから、この二人の絵本があるというだけでも食指が動く方は多いのではないでしょうか。

今回はこのシリーズの中でも最も人気が高く手に入り難いと思われるこのル・クレジオの「木の国の旅」を。

ひとりの退屈している男の子が、旅へ出たいと思っているのです。

でも乗り物も何も持っていないし、手段がありません。だから彼は木の国へ旅へ行こうと思いつくのでした。

旅へ出ることを急いでいなかった彼はまず木を慣らすことから始めました。

森を散歩し、じっと座り込み、口笛を吹き、木の囁きを聞き….。

そんなことをしているうちに男の子は木々が話しているのが分かるようになっていくのです。

絵本全体を通して少年と木たちとの交流が描かれ、そこには様々な木が登場し、そのどれもが個性を持ったものとして語られます。

お話の最後、森のなかで眠りにつく少年を見守る樫の木の、優しいまなざしを感じながらこの絵本を閉じる時には、何とも言えない喜びを感じます。

男の子の孤独な心も少しだけ感じられながらも、木々との温かい交流に心が和み、またこうして展開される子どもの想像力に、大人の人は快い自由を感じるのではないでしょうか。

解説冊子には登場する木の種類の特徴(現実の)が書かれているので、お子様にも説明がしやすいかもしれませんね。

なかなか珍しい絵本ですので多少高くなってしまっているのですが、状態があまり良くないため、お値段は低めにしてあります。

この機会に如何でしょうか。


当店在庫はこちらです。

木の国の旅」ル・クレジオ アンリ・ギャルロン



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