今週instagramにて紹介させていただいた本です。
まずはこちら
宇野亜喜良さんの「60年代ポスター集」です。
宇野さんのポスターの仕事と言えば、少し前に寺山修司さんとの仕事の展覧会もやっていましたね。
幻想的、耽美的な作品で知られる宇野さんは絵本や挿絵の仕事も多くしておられますが、デザイナーとしての側面も強いポスター、チラシ作品も多く手掛けています。
その60年代の仕事が纏められたのがこの本ですが、本書の巻末には宇野さんの言葉が載っております。 「ポスターは、ある種のはかなさを具有するメディアである。インクや用紙の退色といった鮮度の退化は、それだけに制作されたときの鮮度の高さを際だたせ、それは食べものの〈しゅん〉といった感じに似ている。ポスターはいわば時代の風=流れゆくものとしてとらえたほうが、より華麗で、そしてむなしい」
amazonではこちら「宇野亜喜良60年代ポスター集」
続きましては
「マスカレード」宇野亜喜良
もう絶版になって久しい1982年出版の宇野亜喜良さんの画集です。
33×25cmとかなり大判の本なので宇野さんの絵を大きな絵で楽しめます。おそらく宇野さんの画集の中で一番大きなサイズなのではないでしょうか。
タイトルは中にも掲載されている岸田理生さんの詩から。
絵の他にも宇野さんの、ナボコフ、ポール・デルヴォー、コクトー、ラッカムについての短いエッセイも載っています。
amazonではこちら「マスカレード」
宇野亜喜良さんの本を続けて紹介させて頂いています。
こちらは絵も文も宇野さん自身で手掛けられた「白いサーカス」です。
「イメージの森」というシリーズの一冊で、このシリーズでは他にも荒井良二さん、スズキコージさん、佐々木マキさん、和田誠さんなどが本を出されています。
この白いサーカスのお話は、サーカスの団長がその羽根ペンによって、一筆書きで動物たちなどを描いていくことで展開していきます。クマや猫やゴジラ(!)が左から右のページに向かって一筆の線によって描かれています。
宇野さんの絵というと耽美的な印象がありますが、打って変わってこの本では楽しい絵で埋められています。自分でお話を書いているので、こういう絵も描きたいと望んでられたのかと考えると少し意外な感もしますが、そうした一面も見れるのはひとりの読者としてはとても楽しいですね。
amazonではこちら「白いサーカス」
そして次は
「Adventures of Little Bear」と題されたE.H.ミナリック文、モーリス・センダック絵によるこぐまくんシリーズの「こぐまのくまくん」「かえってきたおとうさん」「だいじなとどけもの」の3冊が1冊になった本です。
以前にも他の本を紹介しましたが、洋書ではこういったお得版が本当に多いですね。
こぐまくんが誕生日にスープを作ったり、月へ行ってお昼には帰ってきたり、しゃっくりがとまらなくなったり、そんなミネリックの優しいお話に、センダックの繊細な絵が毎ページについて楽しませてくれます。こぐまくんの友だちの動物が色々出てきますがセンダックの描く動物たちは本当に愛らしいですね。
こちらの商品はテキストは英語なのですが、日本語翻訳版では「はじめてよむどうわ」との副題が付いてるように、原書の英語はとても易しいので、中学生レベルの英語で苦もなく読める文章だと思います。洋書はちょっと、、という方にもお勧めです。
金曜日には酒井駒子さんの切手の発売日だったので御多分に洩れず私も買ってきました。
絵は「ロンパーちゃんとふうせん」と「母の友」の表紙からとられているのですね。
残念ながらロンパーちゃんは今当店に在庫がなかったので、只今在庫のあります「はんなちゃんがめをさましたら」をご紹介させて下さい。
小さな頃、夜にふと目が覚めたときの不思議な感じが、今でも何処かに残っていて、この本を読んでいるとその不思議ででも少しこわかった夜の神秘を思い出します。
夜に目を覚ましたはんなちゃんが、隣で眠るお姉さんを起こすけれど、起きません。唯一起きた猫とともに階下へ行って、暗い部屋の中で冷蔵庫を開けたり、月を見上げたり。
酒井さんの繊細な絵って、夜との相性がすごく良いですよね。この絵でこそ、あの小さい頃には感じられた、夜の不思議な感触を思い出します。
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