今週instagramにて紹介した本です。
まずはこちら
「A Macmillan Pop-up Book ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND」
アリスのポップアップブックと言えば仕掛け絵本の革新者とも言われるロバート・サブダがまず思い浮かびますが、こちらの、1980年にマクミラン社(London)から出版されたアリスのポップアップブックもなかなかの完成度です。
サブダのアリスの一番印象に残るのはやはりラストのトランプの舞うシーンだと思いますが、このアリスのポップアップブックも少し似たような仕掛けと構図で、サブダにも多少の影響を与えていたのだと窺えますね。
イラストもジョン・テニエルをもとにしたものから作られており独特の印象があります。
amazonではこちら
です『ALICE POP-UP BOOK』
次は日本を代表する美術家、大竹伸朗さんの絵本代表作「ジャリおじさん」です。
少し前にはガチャガチャにもなって、とても人気のあるキャラですね。
この絵本はお話も大竹さんが手掛けておりますが、話し出しがとても良いです。
「ジャリおじさんはいつもいつもうみをみてくらしていました。
ある日のことです。クルリとうしろをふりむくと、ずうっときいろいみちが、続いているではありませんか。
ジャリおじさんはこうもり傘をもつときいろいみちをあるきだしました」
このジャリおじさんというキャラクター造形は右か左を見ることしか出来ない造形になっていますが、それを逆手に取ったかのようなお話の展開ですね。
ジャリおじさんの歩くきいろいみちはいったいどこへ行くのでしょうか?是非手にとって確かめてみてください。
amazonではこちらです「ジャリおじさん」
そして次の写真はパレチェクの「かばのティリーネック」の1シーンです。
なんて明るく鮮やかな夜なんだろうと目をみはってしまう絵ですね。
かばのティリーネックは、その主人公のかばの子どもがとても可愛らしく描かれていて、パレチェクの本の中でも一番親しみやすい本なのではないでしょうか。
お話もわかりやすく、小さなお子様にも抵抗なく読んであげることの出来る本です。
今なら状態の綺麗な本が在庫あります。
amazonではこちらです「かばのティリーネック」
こちらもパレチェクの絵本「ちびとらちゃん」です。
勇気が無いと言われてしま模様をとられてしまったちびとらちゃんが勇気を探して冒険をするお話です。
パレチェクの絵は昼には陽の光に溢れ、色とりどりの花が咲き、夜には月明かりの中で植物たちが妖しく輝いて、神秘的な雰囲気を醸し出しています。人々の服はたくさんの色で飾られ、動物たちは自身の毛の色を脱ぎ捨て宝石になったかのようです。色の洪水のようなパレチェクの色彩を是非見てみてください。
amazonではこちらです「ちびとらちゃん」
こちらもチェコの作家、チェコを代表するイラストレーター、ヨゼフ・ラダのabcブックです。
abcブックの歴史は古く、絵本の始まりの形態のひとつとも言われています。文字の綴りや読み書きを教える他にも、ものや動物の名前をイメージとともに覚えられるという優れている点がありますね。本書はチェコ語(?)のためお話はわからないのですけれど。。
それでもラダの絵はその単純化が素晴らしく、とても愉しめます。
この単純化(形態の本質を表面化すること)は絵の巧みさのひとつの方向では無いでしょうか。他にこの方向の優れた作家さんは、例えばフランソワーズや、日本の作家さんでしたら西巻茅子さんでしょうか。ものすごく絵が上手いなぁといつも感じます。
0コメント