今週instagramのほうで紹介いたしました本をこちらでもまとめてご紹介させていただきます。
「パッチワークだいすきねこ」や「風車小屋ねこカッチェ」など猫の絵本を幾つも描いているイギリスの絵本作家ニコラ・ベイリーの「ながぐつをはいたねこ」の仕掛け絵本です。
イギリスの絵本作家らしい繊細な絵はウォルター・クレインやエロール・ル・カインの系譜を思わせる美しいものですが、それがポップアップになって、楽しさも加わっています。
この仕掛け絵本の洋書版はたまに見掛けますが、こちらの日本語版は滅多に見ることがない珍しいものです。
次は、フランスの絵本作家、ドロテー・ドゥンツェの絵本です。表紙絵の枠の装飾を見るとル・カインや安野光雅さんなどを思い出しますが、ル・カインほどシャープな印象はなく女性らしい優しく柔らかい色彩の絵です。
中でも「えんどう豆の上にねむったお姫さま」は特に絵が素晴らしく、登場人物の着ている洋服の模様で、テキスタイルデザインの本が一冊できてしまいそうなくらい凝っています。
こちらは日本でもとても人気の高い、チェコを代表するアニメ/絵本作家ヨゼフ・パレチェクの「Wunschland」(希望の国)です。
1970年の出版ですがまだ邦訳されておらず、テキストがドイツ語なのでお話は読めないのですけれど、パレチェクの他の絵本同様に素晴らしい絵の本です。
表紙からも窺えるように、ボナールを思わせるような眩しい、幸福な光がどの絵にも溢れていて、眺めているだけでもうっとりとしてしまいます☺️
当店在庫商品は1973年再販版。
次は絵本ではないのですけれど、見ていてとても楽しい古道具/骨董系の本が入荷しました。
左の古道具坂田の、坂田和實さんの本は、松濤美術館にて開催された展覧会の図録なのですが、こちらはお客様から買い取らせて頂きました。
2012年に開催された同展覧会には私も行きましたが、坂田さんの収集された「古道具」の数々にはその物が経験した時間と、人間の手の跡を身に纏い、まるで魂を持っているかのように感じました。日本人が生み出した付喪神というものはこの「物」の持つ時間の奥行きから生まれたのだろうなぁなどと感じました。この図録の写真はホンマタカシさんによる撮影で、その写真からも、物のもつ静かな時間が窺えます。
当店では本の買い取りを送料無料にて行っております。ベストセラーのもの以外はほぼ、どんな本でも買い取り出来ますのでお気軽に是非ご相談下さい。
お譲り頂いた本は、当店から次のお客様に大切に繋げさせて頂きます。
「もの」が時間を越えてできるだけ長く在るための、その一端に手を貸すことが出来ればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に安野光雅さんの数学の絵本シリーズです。
このシリーズは現在では「はじめてであう すうがくの絵本」として合本版でしか販売されておりませんが、こちらは以前に販売されていたバラ売りの本です。各章ごとが一冊の本になっているので、試しに買ってみたいという方には安価で手に取れますのでお勧めです。
内容は、もう説明する必要も無いかと思うほどの大定番ですが、遠山啓さんの監修のもと安野光雅さんが、子どもがはじめて数の世界に触れる際に、計算などから入り算数嫌いになってしまわないように、数の不思議、楽しさを最初に受け取れるように工夫されて作られた絵本です。
安野光雅さんの絵は勿論素晴らしく、大人が見ても楽しめますね。
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