今日は小さいお子様から大人の絵本好きまで、幅広いファンを持っているスズキコージさんの絵本「ウシバス」です。
スズキコージさんのナンセンス絵本と言えば「サルビルサ」がすぐに思い浮かびますがこの「ウシバス」もとっても面白いです!
お話はいたって単純(?)バス停で待っていいる人たちのところへウシバスがやってきて、皆ウシバスに乗り込み次のバス停まで行くというお話なのです。。。
この絵本のポイントはどこでしょうか。恐らく「サルビルサ」と同じで誰もはっきりと意味のある文章を話さないところでしょうか。
「クル?」「ルク?」「ウシ?」
「グル」「グル」
「ウシバスウシバス」
「ウバシス」
「シスバウシスバウ」
言葉の表現はこのような調子で一貫しています。
それは言葉が意味を得るか得ないか、ちょうどその境界を渡る時の言葉で、音が言葉として意味を身にまとう、その喜びを表しているようでもあります。
そんなことを言ってみても、この絵本の言葉を口に出し、ページをめくる時の喜びには及ぶはずもありません。
バス停で人々を乗せたウシバスは力強く邁進し、野を越え山を越え海を越え、次のバス停に辿り着いた時には人々は振り落とされ誰も残ってはいません・・・。
神話の世界の怪獣のようでさえあるのですが、それがただの(??)バスになっているという可笑しみもこの絵本の魅力のひとつでしょう。
こうした原始的といいますか神話的と言いますか、プリミティブな力強さとユーモアが渾然一体となり、輝きを放っているのがスズキコージさんの作品の魅力だと思っています。
スズキコージさんについてはいつかもう少し長く書いてみたいと思ったりもしています。
ともかく考え始めるとキリがなく、それなのに子どもたちはページを捲ってげらげら笑ってしまう、そんなすごい絵本です。
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「ウシバス」スズキコージ
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