フランスのイラストレーター / 絵本作家のエルヴェ・テュレの絵本は日本でも人気で、つい先日も「あそぼ」が翻訳出版されたばかりです。
エルヴェ・テュレの絵本には逆転の発想があって、まるでアプリが絵本になったように、触って楽しめる絵本になっています。
「まる まる まる の ほん」では描かれている黄色い丸を触ると、丸は増えて、こすると色が変わって、本を振ると丸はバラバラになって、とページをめくりながら、指示された言葉を読みながら、本の中へ自然と入っていってしまいます。
言葉で説明するとなんだかただの子供だましのような、アプリが絵本になっただなんて本末転倒のような気もしてしまうのですが、実際にエルヴェ・テュレの絵本を手にとって遊んでみると、そこにはなんとも言えない特別な楽しさがあります。
これは本当に不思議なことのような気がします。
「ページをめくる」という本の形に秘密があるのでしょうか?はっきりとはわかりませんが、ともすると現代美術の枠にまで届くようなコンセプチュアルな仕掛けが彼の作品には秘められているのだと思います。
彼は各国の美術館で展覧会を行い、テート・モダンでは子どものためのワークショップも行っています。
当店に在庫のある「the coloring book」はそのテート・モダンから出版されているエルヴェ・テュレ独特な塗り絵の絵本で、大きな判型に200ページを超えるボリュームでまるで画集のようです。
小さなお子様から大人まで楽しめる素晴らしい作家なので、自信を持っておお薦めします。
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