昨日に引き続いて今日もロシアの絵本を。
今日紹介するタチヤーナ・マーヴリナも20世紀のロシアを代表する絵本作家の一人だと思います。
この「ゆき」は児童文学作家のコヴァーリとのシリーズ作品のひとつで、コヴァーリの書く小さな物語、それはロシアのちょっとした日常風景や、ほんの少し神秘的な体験だったり、そんな断片的なお話なのですが、それにマーヴリナが絵を描いた絵本になっています。
池に張った氷の、割った穴から何かが覗いていると言う小さな娘、雪の歌を歌いそして春の歌を歌う孫と祖母、狩りの最中の不思議な出来事、そんな小さな物語がほんの1、2ページで語られています。
マーヴリナの、フォーク・アートとメルヘンを調和したような独特の画風で描かれるロシアの冬の風景、お話を読みながらこの絵を見ると、不思議な事ですが、なんだか懐かしさが込み上げてきます。
ロシアへ行ったこともなく、日本の温帯で育ち暮らすわたしには馴染みのない雪の風景なのですが、懐かしいと感じてしまうのです。
コヴァーリとマーヴリナのこの絵本は、記憶を超えて、人の普遍的な感情まで届く力を持った絵本なのかもしれません。
マーヴリナの絵本は「ゆき」以外にも「かえるの王女」「太陽と月とカラス」の在庫もございますので、こちらも併せて御覧ください。
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