オードリー・フォンドゥカヴの絵本は以前にも「グランデール」をご紹介しました。その時はお話の作者であったポール・エリュアールを中心にお話をしましたので、絵を描いているオードリー・フォンドゥカヴにはあまり触れられなかったかもしれません。
こちらの絵本「わたしのロバと王女」は映画にもなっているので知っている方も多いかと思いますが、ペローの童話のひとつ「ロバと王女」が元なっています。
この童話をフォンドゥカヴが物語を創りなおす形で絵本にしたものが、この絵本なのです。
前半はそのペローの童話とほとんど同じなのですが、後半にノアの箱舟の物語を下敷きにしたようなお話が挿入されていて、王子と王女は、海の上で出会い、そこで物語は終わります。
フォンドゥカヴの、余白を残しつつ、美しい水彩で物語に色を与えている絵は、この語り直されたロマンティックなお伽話の挿絵なのですが、この絵本を開き読んでいると、もしかしたら、この物語がフォンドゥカヴの絵の挿話なのかもしれない、そんな風にも思えてしまうほど、彼女の絵は独立した魅力を持っています。
コンパクトなサイズの絵本ですが、布装に金押しとデザインも愛らしく、本として、一つの世界観がはっきりと確立されている美しい本になっています。
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