好きな絵本のタイプは色々ありますけれど、こういう楽しい絵本、ただただ楽しい絵本は、すごく好きです。読んでいて可笑しい気分になって、ご機嫌になれちゃいます。
「おおわるもののバルマレイ」
コルネイ・チュコフスキー 作 マイ・ミトゥーリチ 絵
チュコフスキーの詩を絵本にしたものなのですが、この詩はロシアの人なら皆が知っている子どものための詩のようです。
ちいさなこどもたち
どんなことがあっても
アフリカにはいくな
アフリカにはいくんじゃないぞ
アフリカにはさめがいる
アフリカにはゴリラがいる
アフリカにはおおきなおっかないワニがいる
<中略>
アフリカにはおそろしくて
アフリカにはこわーい
バルマレイがいる
アフリカじゅうをかけまわり
こどもたちをぱっくりたべる
がつがつのわるもの
バルマレイがいるんだ!
こんな風に子どもたちを驚かす歌で始まるのですけれど、続く場面では父さんと母さんが眠った途端に、
ターニャとワーニャはまっしぐら
アフリカへ!アフリカへ!
ふたりはアフリカじゅうをはねまわり
いちじくややしのみをひっちぎる
うわーいアフリカ!
これがアフリカ!
子どもたちはサイにまたがり、さめのカクラークを驚かせて、カバをくすぐって、いたずらし放題!
そこで登場バルマレイ!
子どもたちは恐ろしさにガクガク震えて泣いて助けを乞うけれども、バルマレイは聞いてくれません。
大きな焚き火をもやして子どもたちをごちそうだぞ、とにらみつけます。
そんなところへ来たのは飛行機に乗ったアー・イタイ博士!
アー・イタイ博士は子どもたちに駆け寄りバルマレイを説得しますが、バルマレイは全く言うことを聞いてくれず博士を焚き火の中へとポイ!
ジリジリ焦げてアー・イタイ!!
(何というお話!)
向こうからやってきたのはゴリラ。ゴリラがワニのクロカジールを連れてきました!
クロカジールはバルマレイをひとのみ!
子どもたちは大喜び!(アー・イタイ博士も無事です!)
ワニのお腹の中で反省したバルマレイはいい人になる宣言!
子どもたちはレニングラードへバルマレイを連れて帰ろうと言い、バルマレイは大喜び。子どもたちのために、あげまんじゅうと、ケーキ、おいしいビスケットも焼いちゃう!と大はしゃぎ!
そんなこんなでハッピーエンドです。
こんな荒唐無稽な破茶滅茶なお話がリズムのいい言葉で進んでいくのは、読んでいて本当に楽しいです。
子どもに読んであげるのも、とても楽しいだろうなあと思います。
ミトゥーリチの絵も素晴らしいです。ロマンチックな雰囲気の場面や、楽しい場面、可笑しい場面そのどれもがこの絵本の中に詰まっていて、そしてどれもが本を読む読者の胸をなんだか暖かくさせてくれるものなんです。
写真にも上げたワニに飲まれたバルマレイがいい人になる絵とか…、凄いです。笑
ミトゥーリチの絵本はここのところ幾つか更新しておりますので、是非オンラインストアの方で一緒に御覧ください。
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