「THE LITTLE HEN AND THE GIANT」Maria Polushkin Yuri Salzman

この「THE LITTLE HEN AND THE GIANT」の作者ユリ・サルツマンはソ連生まれの絵本作家です。

ソ連国内で彼はとても人気のある絵本作家でしたが、1970年代のある時期から反国家的な文化人とされ、創作活動を国内ですることが出来なくなってしまいました。そこで家族とともにアメリカへ渡り、作品を持って出版社を周り、この「小さなめんどりと大男」の絵本の仕事を得ることが出来たそうです。

お話はどんなお話かというと、

めんどりのクロッカは産む卵を、いつも大男に盗まれていました。クロッカが怒っても、大男が恐ろしく誰も相手にしてくれません。ある日、とうとうクロッカは耐えられなくなり、大男をやっつけようと、出掛けて行きます。

その道中でキツネや、オオカミやクマに出会うのですが、大男をやっつけるというクロッカを皆バカにするばかり。そこでクロッカはくちばしをぱっくりと開いて皆をひと飲み。そうして大男の元へ向かって、、、

お話の「型」としては弱いものが知恵を使って強いものをやっつけるお話のようにも思えますが、それだけにとどまらない魅力を持った不思議なお話です。

ちいさなめんどりのクロッカがキツネやオオカミやクマ、そして湖までもひと飲みにしてしまう様には、何処か神話的な香りも漂います。

サルツマンの描く動物たちは可愛らしくも、表情豊かで、キツネは賢そうに、オオカミは残忍そうに、そして大男は怖くもすこし間抜けに描かれます。大きな判型の本に見開きを使った絵はとても迫力があって楽しませてくれます。

1970年代後半の本書は、紙の柔らかい風合いと印刷色もマッチしていて美しいのも魅力です。

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THE LITTLE HEN AND THE GIANT

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