同じお話でも、様々な絵本作家の挿絵でまた違ったように楽しむことが出来るのは、古典の絵本や児童文学を読む楽しみの一つでもあると思います。
例えばスティーヴンソンの「子供の詩の園」などはジェシー・ウィルコックス・スミス、アリス&マーティン・プロヴェンセン、イーヴ・ガーネット他多くの絵本作家の挿絵で読むことが出来ますよね。
そこまで有名なお話ではないのですけれど、こちら「MARCIN SPOD DZIKIEJ JABŁONI(上下巻)」(日本語版タイトル「リンゴ畑のマーティン・ピピン」)は、エリナー・ファージョンのお話にヨゼフ・ウィルコンが挿絵を描いた本です。1960年代のポーランドの出版で、当店が在庫している様々な絵本の中でもかなり珍しい一冊ですね。
日本翻訳版のものは福音館から出ておりリチャード・ケネディが挿絵を描いています。勿論ウィルコンが挿絵を描いたヴァージョンは翻訳などはされていません。
ポーランドの絵本作家ヨゼフ・ウィルコンが、20世紀を代表するイギリスの児童文学作家、エリナー・ファージョンの挿絵を描いていた、と言うのは自分も初めてこの本を見た時には吃驚しました。
ファージョンはやはり、アーディゾーニの挿絵のイメージが強いですよね。
この本は昨年のポーランドへ買い付けに行った際に見つけた本なのですが、ウィルコンは探求書としてご依頼頂いていたお客様がいらっしゃったので、その時に仕入れることが出来た本は当店の店頭やオンラインストアには出ずに、そのままそのお客様にご購入頂いておりました。
ただ、自分もこの本はぜひ多くの人に見て欲しいと思っていたので、その後ポーランドの古書店に連絡を取り、向こうから送ってもらい、この度オンラインストアの方にも更新をさせて頂きました。
日本でも知られているウィルコンの作風とは少し異なり、ポーランドの60年代当時のイラストレーションのスタイルを感じます。
暗く、何処と無く不穏な雰囲気を帯びていますね。
日本語版で読むことの出来る挿絵とはまた違った味わいがあり、ファージョンのファンの方、ウィルコンのファンの方にはぜひぜひ見て頂きたいです。
同じお話でも、様々な絵本作家の挿絵で読むとまた違った味わいがあり、物語の違う側面を感じる事ができるのではないでしょうか。
ぜひオンラインストアの方でもご覧ください。
当店のヨゼフ・ウィルコンの本はこちらです。
エリナー・ファージョンの本はこちらです。
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