少し前にオンラインストアに上げていたものなのですが、紹介し忘れておりました。
ポーランド出身で、その後イギリスで活動をした芸術家夫妻、Stefan ThemersonとFranciszka Themersonによる絵本です。
夫のStefanは詩人/作家/映像作家など、様々なメディアで作品を残した芸術家で、妻のFranciszkaは画家/イラストレーター/デザイナーとして活動をしました。
二人の活動は1930年代の前衛芸術/実験映画などから始まり、30年代の後半には子どものための本をフランスのFlammarionから出版もしております。
1940年のナチス・ドイツのフランス侵攻の後にイギリスに亡命し、以降は主な活動の拠点をロンドンに移しました。
その後は自分たちで作った出版社から多くの作品を出版しましたが、この絵本「THE TABLE THAT RAN AWAY TO THE WOODS」はポーランドで1963年に出版されたもので、英語版は2012年になってから出版されました。
お話は、ある日家から靴を履いて飛び出して行ってしまう「机」のお話です…。
ちょっと奇妙でユーモラスな、不思議なお話。
机は四つの脚に夫妻の靴を履いていってしまったので、夫婦で冬の町を裸足で机を追いかけていくのです。
机はやがて草原を越えて森に辿り着き、霜の溶ける春の森の中で立ち止まり、そこに根を下ろすのです。
するとインクのシミの落ちた机から、一枚の葉が芽吹き…。
不思議なお話なのですけれど、どこか美しさも感じます。
自分は悲しみと再生についての物語のようにも読めるのですが、皆さんはどうお読みになるでしょうか?
20世紀、戦争の時代を駆け抜けた前衛芸術家夫妻による、子どものための不思議な絵本です。
ぜひオンラインストアの方でも御覧ください。
この絵本は英語版ですが、当店にはポーランドで買い付けてきた夫妻の絵本がもう1冊(「POCZTA」)ございますので、どうぞこちらも一緒にオンラインストアでも御覧ください。
当店のThemerson夫妻の本はこちらです。
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