当店はやはり洋書絵本の入荷がとても多いのですけれど、日本の古いものも頑張って更新しております。
こちらは先日更新した、1960年代の「ひかりのくに」です。
「ひかりのくに」は戦後すぐの時代から始まったこの子どものための月刊絵本雑誌ですね。
今回更新した3冊は、裏表紙を除く15ページの中に、ただ一つのお話が掲載されています。
この雑誌では多くの絵本作家さんが作品を描いていますが、単行本としては未刊行の作品がとても多いですね。
こちらの司修さんの「かぜのこカナ」、長新太さんの「ほいほいさん」もそうした作品の一つです。
今では少し手に入れることが難しいので、探している方も多いのではないでしょうか?
ともに巨匠のお二人ですけれど、当時はまだ新進気鋭の絵本作家でした。
年代的に司修さんはこぐま社の最初期の三部作の仕事の最中ですね。
この「かぜのこカナ」は、その名作「へいしのなみだ」とも似た、可愛らしいながらも、素朴で力強いとても魅力的な絵を見せてくれています。
お話も詩のようで美しいお話です。
風が、物言わぬ石たちを蘇らせ、やがて石たちは、うみの、やまの、宇宙の歌を歌いだす…。何処と無く神話的な感覚も感じられます。
長さんの「ほいほいさん」は長さん特有の肩の力が抜けた絵とお話で、思わず微笑んでいます。けれどそのお話の中にも強烈なブラックユーモアも秘められていますね…。
後年の長新太さんはそうした僅かに感じるアイロニックなものさえ、ユーモアや無垢の中で消し去って行ったので、そうした意味では特徴的な作品と言えるかもしれません。
ぜひオンラインストアの方でもご覧ください。
当店の「ひかりのくに」の在庫はこちらです。
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