「Omega et l'ourse」Beatrice Alemagna

本日の新入荷商品ではベアトリーチェ・アレマーニャのフランス語原書版(日本語未翻訳)の絵本を2冊更新しております。

「Omega et l'ourse」はアレマーニャがたびたび作る、大きい判型の絵本で、彼女の絵の世界観たっぷりと楽しむことが出来ます。

この作家のコラージュの使い方のセンスはほんとうに秀逸ですね。空間の扱い方が、処理の仕方が独創的でありながら調和があり、絵としての迫力もあるのがすごいです。

お話は一人の女の子、オメガとクマのお話。

不思議なお話で、心理学的に分析して多角的に読むこともできそうです。


オメガが窓からいつも眺めていた、山の中に住むクマ。

そのクマのことをオメガは何処か憧れと愛着を持って眺めています。

寒くなってきたある日、クマはオメガの窓のところまでやっていきます。

オメガは躊躇なく窓を開け、クマに抱きかかえられ、森の中に二人で入っていくのです。

森の中で二人は楽しい時を過ごすのですが、クマはオメガにこう告げます。

「君を食べなきゃいけない」

オメガはすぐに答えます。

「わかったわ」

衝撃的な場面に見えてしまうかも知れないのですけれど、次のページではオメガはクマのぬいぐるみを抱えて自分のベッドで眠っています。

夢のお話だったのか、とも思わせながらも、その部屋の窓からは、何故か木の枝の影が、にょきにょきと伸びて部屋を覆い尽くしているのです。

(そして窓から少しだけ見える風景は、都会のものなのです)

アレマーニャの描く現実と非現実が入り混じった世界そのままのような、不思議なお話です。


是非オンラインストアのほうでも御覧ください。


当店のベアトリーチェ・アレマーニャの本はこちらです。

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