本日はオンラインストアの新入荷更新では、古本の他に、イラストレーターの西淑さんの2020年のカレンダーを更新しております。
西さんは以前当店でも紹介したことのある「なくなりそうな世界のことば」のイラストなどで、ご存じの方も多いのではないでしょうか?
繊細で透明感のあるそのイラストレーションは、冬の夜空のように澄んで美しく、静かに胸に迫ってきます。そして、そこにはいつも物語の深みがある気がするのです。
カレンダーのイラストは、身近な日常的な題材から、ずっと遠くの、異国にも見える風景、そして詩画集の一葉を思わせるようなものまであり、十二ヶ月分の選ばれたそれらには一見、統一感はないようにも見えます。
けれども、物語を、深い物語を感じる、という点において、それらのイラストの奥に共通したものが流れているのが、感じ取れる気がするのです。
人の住むことの出来ないであろう高い峰を、星空の下で歩く二人。
糸切り鋏と毛糸玉。
上ったばかりの太陽をまだ朝靄のかかる湖から眺める木舟。
ナンシー・エコーム・バーカート/ジョン・アップダイクによる「A Child's Calendar」あの絵本もそうした物語を感じる、日付と絵の、美しい一冊でしたね。
雰囲気は大分違っても、西淑さんのこのカレンダーと何かしら同じものが流れている気がするのはきっと、絵の奥にある物語なのだと思うのです。
良いカレンダーは、日々の生活を、ほんの少しだけ豊かにしてくれるものだと思います。
このカレンダーもまた、日常の中にまた別の物語を持ち込み、日々を多層的なものにして、豊かにしてくれると思うのです。
入荷数は最初から少なかったのですが、イベントで既に大半が売れてしまったので、もう在庫僅かですので、気になる方はどうぞお早めに。
当店で取り扱いのある、西淑さんの本はこちらです。
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