Gertrud Caspari (1873-1948)

本日はエルサ・ベスコフやオッティリア・アーデリボリなどのスウェーデンの絵本をオンラインストアに更新しましたが、こちらはドイツの絵本です。

当店の在庫の中で一番多いのはドイツ絵本でしょうか。もしかしたらフランス絵本かもしれませんが。

どこの国の子どもの絵本/イラストレーションにも時代ごと、それぞれ特徴がありますが、この作家Gertrud Caspari(ゲルトルート・カスパリ)はそうしたドイツの20世紀前半の子どもの本のイラストレーションの特徴をとても良く持った作家かと思います。

1903年に最初の本を出版し、その後の30年ほどで50冊以上の作品を出版したCaspariは20世紀前半のドイツの絵本画家を代表する一人ですね。

多くの絵本に目を通している方には、その線や色の、当時のドイツ絵本の特徴がパッと分かるのではないでしょうか。

太い線ではっきりとした輪郭線が描かれ、明快な単純化がなされているイラストレーション。

そして注目したいのは絵だけではなくその文字もです。

ブラックレター/フラクトゥールと呼ばれるドイツの特徴的な書体は、そうしたカスパリのイラストレーションにも影響を及ぼしているようにも思えます。

(この書体の力強さに、この国の国民性までをも見るのは行き過ぎでしょうか)

子どもの遊びや情景を歌った詩に、 カスパリが絵を描いたこの2冊の絵本は、そうした特徴を感じさせながらも、現代の日本で暮らす自分にも届くような可愛らしさを存分にもった絵本になっています。

絵の印象は少し異なるのですが、その絵よりももっと奥にあるものは、例えばフランスのモンヴェルやアンシなどと同じものを持っているように感じられるのですが、如何でしょうか?

どちらも1980年代の復刻版で、手に入れやすい価格かと重います。

是非オンラインストアの方でも御覧ください。


当店のGertrud Casparの本はこちらです。

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