「うちがいっけんあったとさ」ルース・クラウス 文 モーリス・センダック 絵

子どもと絵本を読む時に思うのは、自分が子どもに絵本を読み聞かせているのではなくて、ただ単に、自分が子どもになって絵本を(子どもといっしょに)読んでいるだけのような気がしてきます。

子どもと遊んでいる時も同じで、子どもと遊んであげるのではなくて、ただ、自分が子どもになって子どもと遊んでいる気がしてくるのです。

そんな風に、自分を子どもにしてしまう絵本というのが、幾つかあります。


今日の新入荷商品の中から「うちがいっけんあったとさ」

ルース・クラウス×モーリス・センダックの黄金コンビです。

このコンビでは自分は「おふろばをそらいろにぬりたいな」が心の底から好きなのですが、この「うちがいっけんあったとさ」の方が楽しい絵本かと思います。

「おふろばを〜」は大人の方に響きやすい気がするのですけれど、こちらはお子さんと一緒に楽しめる、大人が子どもに戻ってしまう絵本だと思うのです。

解説で訳者の渡辺茂男さんが書かれています。

「ルース・クラウスは多くの大人が忘れてしまった子どもの遊びの世界へ、するするとはいりこみ、空想の家の中で子どもといっしょに、はねおどって、子どもたちに喜びの声をあげさせるのです」

センダックの楽しい絵も、その遊びの世界へと誘ってくれます。その世界の中でひたすらに愉快に遊ぶ子どもの姿は、大人の目から見ると「愉快な子ども」なのですけれど、子どもに戻ってしまった自分にはなんと言いますか、自分の半身のような、心の中の友だちの姿を見ているような、そんな気さえしてくるのです。

少し前にこの絵本の原書版の60’sの美しい刷りのものを紹介しましたけれど、印刷の楽しみはやや劣っても日本語でこの楽しい絵本読めるのは嬉しいですね。

洋書の絵本と日本語の絵本の紹介する割合は、6:4〜7:3くらいにしたいと思っているのですけれど、現状洋書絵本のほうが良い入荷が多く、また、しっかり説明しないといけない本も多いので、なかなか日本語の絵本の紹介の投稿を上げられずもどかしい気持ちでおります。

本日紹介したように、日本語の絵本も沢山ありますので、気軽にオンラインストアの方も見てくださいね。


当店のモーリス・センダックの本はこちらです。

0コメント

  • 1000 / 1000